『ウディ・アレンの夢と犯罪』のあらすじと概要
「マッチポイント」「タロットカード殺人事件」に続くウッディ・アレン監督のロンドン3部作の最終章。主演にユアン・マクレガーとコリン・ファレル、共演に「フィクサー」のトム・ウィルキンソンら。
ロンドン南部でレストラン営むブレイン家の2人の兄弟、ホテルへの投資で成功を収めようする野心家の兄イアン(ユアン・マクレガー)と、恋人ケイトと結婚し、マイホームを買って気楽に暮らす事を夢見るきままな弟テリー(コリン・ファレル)を描きます。小型クルーザーの購入を機に、イアンは運命的な女性と出会い、優雅な生活を手に入れようとします。テリーは賭け事で作った莫大な借金により、将来の計画が大きく狂い始めます。そこにアメリカに住む資産家の叔父が現れ、資金援助を条件に元同僚の殺害を依頼されます。
原題:Cassandra’s Dream
『ウディ・アレンの夢と犯罪』のスタッフとキャストについて
ウディ・アレン監督:米ニューヨーク・ブルックリン出身。
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ユアン・マクレガー(兄イアン):英スコットランド・パース出身/本作品では家業である飲食店の手伝いを続ける気は無く、ホテルなどへの投資ビジネスで一旗揚げる事を夢見ている。また、曰く付きの中古小型ヨットを購入したことを切っ掛けに、女優のたまごと知り合いカリフォルニアへの移住を夢見ている。理知的な面もあり、また大変な弟思いの面もある。お金の為についに犯罪に手を染めてしまう。
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コリン・ファレル(弟テリー):アイルランド・ダブリン出身/酒とギャンブル好きが高じて莫大な借金を抱え込んだことから、人生が狂い始める。殺人事件を犯した事で、自ら精神的苦痛に悩まされ、ついに自首する事を思いつくが、その決断が命取りとなってしまう。
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サリー・ホーキンス(ケイト):イギリス・ロンドン出身。同ウッディ・アレン監督作「ブルージャスミン」(13)でアカデミー助演女優賞に初ノミネートている。
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トム・ウイルキンソン(伯父ハワード):英リーズ出身。数多くの有名作品に出演し、名バイプレイヤーとして活躍している。
出演作➢
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『ウディ・アレンの夢と犯罪』ネタバレ感想
(ネタバレあり)
ふたりの大物スターによる仲睦まじい兄弟振りが非常に眩しかったのですが、その後余りに非常識的なストーリーの展開に唖然とさせられました。人は謝金返済の為に、いとも簡単に依頼を受けた殺人をやってのける事が出来るでしょうか? 美容整形分野で世界展開を計る大金持ちの伯父さんハワードもなんとも胡散臭い人間の様でした。資金援助の見返りとして、自分に取って不都合な人物の殺害を要請して来ます。
兄弟も「手作り」の拳銃を準備して犯行に及びます。なんとも滑稽なのですが、殺される犠牲者の立場を考えてしまうとお気の毒では済まされません。また、労働者階級のふたりが浮かび上がる為には大それた一か八かの勝負も必要という、切羽詰まった状況でも無いような気がしました。
終始一貫してもやもやとした気持ちが晴れず、二人の運命は最後一体どうなるのか心配しながら見ていました。そこには想像もしていなかった悲しい結末に衝撃を受けました。なんとなくコメディっぽい展開から、一転シリアスなサスペンス映画になってしまう瞬間でした。
本作品で唯一まともで好感を持てたのが、サリー・ホーキンス演じるケイトです。若くて金髪でかなり美しかったので最後までサリー・ホーキンスと気が付きませんでした(大変失礼しました!)『モード・ルイス』『ブルージャスミン』に出演しているサリーとは印象がまったく違っていました。役者は本当にこわいです。
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