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おすすめの名画『タクシードライバー』(1976/マーティン・スコセッシ監督)感想‣ニューヨークに生きる孤独な青年が狂気じみた犯罪へと駆られてゆく姿を描く

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『タクシードライバー』のあらすじ概要

マーティン・スコセッシ監督とロバート・デ・ニーロがタッグを組み、ポール・シュレイダーの脚本、孤独なタクシードライバーの姿を通して大都会ニューヨークの闇をあぶり出したサスペンスドラマ。

ニューヨークの片隅で鬱屈した日々を送るベトナム帰還兵26歳の青年トラビス。不眠症の彼は、夜勤のタクシードライバーの仕事に就きます。彼は夜の街を走りながら、麻薬や売春が横行する社会に嫌悪感を募らせていきます。ある日、大統領候補パランタインの選挙事務所で働く美女ベッツィと親しくなったトラビスでしたが、何を勘違いしたか初デートでポルノ映画に誘いベッツィを怒らせてしまいます。密売人から銃を手に入れ、自らの肉体を鍛え始めたトラビスの胸中に、ある狂気じみた犯罪へと駆られてゆく思いが湧き上がっていました・・・

当時13歳のジョディ・フォスターが家出した売春婦役を演じて注目を集め、アカデミー助演女優賞にノミネートされた。第29回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞しています。

1976年製作/114分/アメリカ
原題:Taxi Driver

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Ryan McGuireによるPixabayからの画像

『タクシードライバー』のスタッフとキャストについて

マーティン・スコセッシ監督:1960年代後半にはベトナム戦争の徴兵を逃れ、ニューヨーク大学の映画学部で学びつつ短編映画を監督しています。修士課程の卒業制作を基にハーヴェイ・カイテル主演で制作した初の長編映画『ドアをノックするのは誰?』を発表。

マーティン・スコセッシ監督は、本作中浮気した自分の妻の殺害を仄めかすタクシーの客として出演しています。役者としてもなかなか上手な演技を見せていました。

ロバート・デ・二-ロ(タクシー運転手トラヴィス・ビックル、ベトナム海兵隊帰還兵):1973年の映画『ミーン・ストリート』で初めてスコセッシとタッグを組んでいます。本作『タクシードライバー』撮影の為、3週間、ニューヨークでタクシードライバーとして働いた経験があります。

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ジョディ・フォスター(13歳の娼婦アイリス):8歳から高校時代までロサンゼルスにあるフランス人学校のリセ・フランセ・ドゥ・ロサンゼルス に在籍し、バカロレアを取得しています。

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シビル・シェパード(べッティー)

ハーべイ・カイテル(売春宿のポン引き役):16歳の時にアメリカ海兵隊へ参加しレバノンに出兵。20歳で除隊した後は靴のセールスマンを経てマンハッタンで裁判所速記官を務め生計を立てたという経歴を持つ苦労人。1973年の『ミーン・ストリート』でも再びスコセッシとコンビを組んだが主演のカイテルは注目されず助演のロバート・デ・ニーロが注目されるという不運に見舞われた!

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David MarkによるPixabayからの画像

『タクシードライバー』のネタバレ感想・見どころ

ネタバレ有り

一人のベトナム帰還兵の目か眺めるニューヨークの夜は薄汚く、犯罪と退廃に穢された街と写ります。自分が患う不眠症や失恋の痛みを転嫁する為、タクシー運転手トラヴィスはニューヨークを”浄化”する事を決意します。そして、自分の身体を鍛え上げ、武装する為の拳銃を闇取引で手に入れていきます。

しかしながら、”浄化”するターゲットが一部の政治家であったり、売春に群がるポン引きや、売春宿の主人などに向けられることに疑問を持ちました。確かに夜の街で働くタクシードライバー、トラヴィスの目に映る世界は矛盾に満ち満ちており、彼はそういった世の中の暗い部分ばかり見せつけられているに違いありません。しかし、自分の心のもやもやを他人のせいにするのは如何なものかと考えさせられました。初めてのデートで新しい彼女をポルノ映画に連れて行き、当然のことながらすっかり嫌われてしまいます。自分の非を棚に上げて、彼女の機嫌を直そうと花束を贈ったり、電話を掛けても一切応えようとしない彼女に逆切れして、彼女の職場にまで押し掛けわめき立てています。この行動は現在のストーカー行為そのものです。これは明らかに常識を外れています…

退廃・犯罪・猥雑が人間を狂気に駆り立てるという背景、闇に浮かぶネオンや露に濡れたガラス越しにカメラで捉えるニューヨークの一面を捉えた映像の連続には確かに”映像美”を感じさせられます。また、素晴らしい印象的な音楽が引き立てています。しかし、トラヴィスを狂気に走らせる程のニューヨークの”魔物の存在”とは一体なんだったのか? トラヴィス(は口では語っていないので)の心模様から察する他ないのですが…

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