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おすすめ映画『おとなのけんか』(2011/ロマン・ポランスキー監督)感想‣和解のための話し合いから修羅場に陥っていく2組の夫婦を辛辣に描くコメディ

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『おとなのけんか』のあらすじ概要

トニー賞演劇部門の作品賞やローレンス・オリビエ賞の新作コメディ賞を受賞したヤスミナ・レザの舞台劇「大人はかく戦えり」を、「戦場のピアニスト」「ゴーストライター」のロマン・ポランスキー監督が映画化。舞台はニューヨーク・ブルックリンの一室。子ども同士のケンカを解決するため2組の夫婦が顔をあわせ、話し合いを始めます。最初は理性的に進められていた話し合いも、時間がたつにつれ各々の本性がむきだしになり、やがてそれぞれの夫婦間にも不協和音が生じていきます。登場人物は4人のみで、室内でリアルタイムに進行する会話劇を愉しむ事が出来ます。ジョディ・フォスターとジョン・C・ライリー、ケイト・ウィンスレットとクリストフ・ワルツが2組の夫婦を演じています。

2011年製作/79分/フランス・ドイツ・ポーランド合作
原題:God of Carnage *”Carnage”とは虐殺の意!

『おとなのけんか』のスタッフとキャストについて

ロマン・ポランスキー監督・共同脚本:フランス・パリ出身。長編監督デビュー作「水の中のナイフ」(62)は米アカデミー外国語映画賞にノミネートされています。ハリウッド進出作「ローズマリーの赤ちゃん」(68)は大ヒットを記録。

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ジョディ・フォスター(ペネロぺ・ロングストリート):2歳の時にキャリアをスタートさせ、6歳でTVショーのレギュラー番組を持ったという/作家。アフリカについて共著した経験があり、アフリカ、スーダンの惨状に深い思い入れがあり、道徳的であることを理想としている。

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ケイト・ウィンスレット(ナンシー・カウワン):イギリス/バークシャー州出身。世界的大ヒット作「タイタニック」(97)のヒロイン・ローズ役で人気を集め、アカデミー主演女優賞などの候補に挙がる/投資ブローカー。しかしながら家事や学校のことをすべて夫アランから丸投げされていることに不満を持つ。また、夫が常時携帯電話を使用して誰かと話続けている事にストレスを感じている。

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クリストフ・ワルツ(アラン・カウワン):製薬会社を顧客に持つ弁護士。少し信頼の低い薬を発売している為、薬の副作用について訴訟に発展しかねない大きな問題を抱えている。その為、外部と連絡を取る必要があり度々電話がかかってきて、話し合いがその都度中断される。周囲の人間をイラつかせる原因となっている//オーストリア・ウィーン出身。クエンティン・タランティーノ監督の「イングロリアス・バスターズ」(09)で狡猾なナチス将校役を演じ、アカデミー助演男優賞をはじめ数々の賞を総なめに

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ジョン・C・ライリー(マイケル・ロングストリート):日用品を扱う金物商を営む。娘のかわいがっていたハムスターを「うるさい」という理由で外の道路に放置して捨ててしまう。そのことをカウワン夫妻に話してしまった事から、動物虐待などと罵られる。気前よく高級ウイスキーや葉巻を振る舞うがこの事がそもそもの原因で4名が酔った勢いで、本心丸出しの修羅場に発展してしまいます。

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『おとなのけんか』のネタバレ感想・見どころ

ネタバレ有り

びっくり仰天の快作!

子供同士のけんかについて、穏便に解決する為集まった2組の夫婦は極めて理性的な話し合いを始めます。しかしながら、一度、二度と帰る機会を邪魔されて、再びしゃがみ込む度に徐々に話し合いの雲行きが怪しくなって行くところは”サスペンス”映画さながらの”恐怖”さえ感じました。

ひたすら嫌な印象を振り撒いていたのはアランに掛かって来る”携帯電話”の鬱陶しさだと感じました。4人の会話が完全に途切れてしまいます。誠心誠意息子の喧嘩を穏便に解決する為に4人が集まった場であるならば、常識的には携帯電話はOFFにするのが当然です。最終的には花瓶の水の中に水没させられてました…

それ以前に、大変失礼ながらこの二組の夫婦はまったく夫婦らしくないペアでした。ジョディ・フォスターとジョン・C・ライリー、ケイト・ウィンスレットとクリストフ・ワルツ…キャスティングではわざわざ絶対にあり得ないカップル同士を組ませることで、視聴者に冒頭からかなりの違和感を感じさせせる事に成功していました。更に、ジョディの扮する母親役名は何と”ペネロペ”!欧米ではよくある名前なのかも知れませんが、わたしは思わず”ペネロペ・クルス”を思い出してしまいました。ペネロペと呼ばれる度に『嘘だろうそんな名前!』と頭の中ではもやもや感が増幅する一方でした。

何やら、とても”美味しそう”なおやつ=コブラ―が振る舞われます。何と、食べ過ぎたナンシーはペネロペが非常に大切にしていた画集の上に嘔吐してしまうという大失態を演じます。そして、とうとう絶品のシングルモルトを飲み過ぎたのか、誰もが理性を完全に失い本性丸出しとなり、本音での罵り合戦が佳境を迎えていきます。

驚きの80分!こんな映画があったのかとびっくり仰天しました…”芸達者”の4名の俳優(女優)の意外な持ち味大炸裂で本当に楽しめる作品でした。

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