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おすすめ映画感想『ハードエイト』(1986/ポール・トーマス・アンダーソン監督)‣初老のギャンブラーは、運に見放された青年に興味を持ち、賭け事の勝ち方を伝授!?

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『ハードエイト』のあらすじ概要

「マグノリア」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」などの鬼才ポール・トーマス・アンダーソンが、1996年に手がけた長編監督デビュー作。母親を亡くした青年ジョンは葬儀代を稼ぐためにラスベガスで一発勝負に出ますが、失敗して一文無しになってしまいます。途方に暮れているジョンの目の前に初老の賭博師シドニーが現われ、コーヒーを飲みながら彼に救いの手を差し伸べ、カジノで勝つ方法を伝授して行きます。2年があっという間に過ぎ去り。一流のギャンブラーに成長。更に、恋人クレメンタインと知り合う事も出来たのですが、飛んでも無い事件に関わり合う事になります。それもシドニーの機転で上手く切り抜ける事が出来ました。ところが、ジョンの友人ジミーの存在がシドニーとジョンの人生に思わぬ波乱を巻き起こす事になります……。

出演は「シカゴ」のジョン・C・ライリー、「ブギーナイツ」のフィリップ・ベイカー・ホール、「ロイヤル・テネンバウムズ」のグウィネス・パルトロウ、「パルプ・フィクション」のサミュエル・L・ジャクソン。

1996年製作/101分/アメリカ
原題:Sydney

★ハードエイト(Hard Eigth)は、クラップス(Craps)における「サイコロの4のゾロ目」の意味

Michelle RaponiによるPixabayからの画像

『ハードエイト』のスタッフとキャストについて

ポール・トーマス・アンダーソン監督・脚本:1992年の短編『シガレッツ&コーヒー』がサンダンス映画祭で注目されるとハリウッドから声が掛かり、この作品をベースにした本作・長編映画『ハードエイト』(1996年)で長編映画監督デビューを果たしています。弱冠25,6才で本作を仕上げる才能振りに驚きました。

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フィリップ・ベイカー・ホール(初老の賭博師シドニー・ブラウン):オハイオ州トリード出身。ポール・トーマス・アンダーソン作品の常連。

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ジョン・C・ライリー(青年ジョン・フィネガン):同じく、特にポール・トーマス・アンダーソン監督作品の常連。『シカゴ』(2002年)では歌声も披露した。この役を得るために、歌っている姿を自分でビデオに撮って監督のロブ・マーシャル監督に送ったという。

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グウィネス・パルトロー(ウェイトレス・クレメンタイン):「恋におちたシェイクスピア」(98)でアカデミー主演女優賞を受賞。。マーベル映画「アイアンマン」シリーズ(08~13)では、ロバート・ダウニー・Jr.演じるトニー・スターク/アイアンマンの相手役ペッパー・ポッツ役を演じています。

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サミュエル・L・ジャクソン(ジョンの友人ジミー):鍵を握る事になるチンピラ役。
フィリップ・シーモア・ホフマン(クラップスのプレイヤー):ひたすらシドニーを爺さん呼ばわりする早々しい若者役。

Henry WangによるPixabayからの画像

『ハードエイト』のネタバレ感想・見どころ

ネタバレ有り。

初老の紳士、賭博師シド二―が一体何者なのかという事実が最後の方で、明らかになって行くところが本作の肝となっています。なので、彼の正体を明かしてしまうと、面白さも半減どころかほとんどなくなってしまいます。まだ本作を未見の方の為に絶対にお話しません。2000㌦を一瞬に負けても顔色一つ変えず、その場を立ち去る渋い表情は凄かったのですが、これも彼の正体をほんの少し露わしているかも・・・

まず、最大の驚きはポール・トーマス・アンダーソン監督の初長編作品であり、しかも20代半ばという若さで本作品を作り上げています。二作目の『ブギ―ナイツ』といい、12才で父親からカメラを買ってもらい、僅か10年程で超一流の映画を創造してしまう才能に驚きました。主演シドニー役のフィリップ・ベイカー・ホールは撮影当時御年65歳でした。40歳も年上の役者に、渋い演技を”指導”したのかどうか詳しい状況は分かりませんが、かなりやりづらかったのではなかろうかと考えてしまいます。しかし、本編を見る限り、そんな心配は一切無用でした。役者の持ち味は十二分引き出されていました。

紅一点のグウィネス・パルトローの演じるカジノのウェイトレス・クレメンタイン。美人ながら、非常に頼りない感じの女性。不可思議な行動を取った為に飛んでも無い”事件”を引き起こしてしまう事になります。この部分だけは未だ十分消化し切れていない(極めて現実離れ)ストーリーの展開だったのが残念な点です。町に買い物に出掛け、そこで、思い出したように二人は”結婚式”をやっています。更に更に、驚きの展開としては、新婚の新郎が花嫁を見失っている内、なんと彼女はバーで見知らぬ男性と知り合い、彼の部屋を訪れるという思わぬ展開(娼婦役)へと…(『ハングオーバー』シリーズ的な摩訶不思議な展開??)ちょっと今後のふたりの夫婦生活が心配になりましたが…

多くの映画評でも指摘されていましたが、カメラの動きが上手過ぎて思わず唸ってしまうシーンが満載でした。また、人物が立ち去った後、人物の背中を追うことなく、テーブルの上に残った二つの珈琲カップを撮り続ける「余韻」の残し方などかなり格好良いなと感じました…

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