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おすすめ映画『婚約者の友人』(2017/フランソワ・オゾン監督)感想‣戦争を背景にしたオゾン流ミステリーと恋愛ドラマ、衝撃の真実に堪えられるか?

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『婚約者の友人』のあらすじ概要

「8人の女たち」のフランソワ・オゾン監督が、エルンスト・ルビッチ監督作「私の殺した男」の原作としても知られるモウリス・ロスタンの戯曲を大胆に翻案してオリジナルストーリーとして昇華させ、モノクロとカラーを織り交ぜた美しい映像で描いたミステリードラマ。

1919年、ドイツ。婚約者フランツをフランスとの戦いで亡くし、身寄りの無いアンナは、フランツの両親と共に悲嘆に暮れる日々を送っていました。ある日、アンナは見知らぬ男がフランツの墓に花を手向けて泣いているところを目撃します。アドリアンと名乗るその男は戦前のパリの留学先でフランツと知り合ったと話し、彼が語るフランツとの友情に、アンナもフランツの両親も癒やされていきます。

アンナはアドリアンに次第に惹かれていきますが、実はアドリアンはある深い秘密を抱えていました。

アドリアン役に「イヴ・サンローラン」のピエール・ニネ。「ルートヴィヒ」のパウラ・ベーアがアンナ役を演じ、第73回ベネチア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞しています。

2016年製作/113分/フランス・ドイツ合作
原題:Frantz

『婚約者の友人』のスタッフとキャストについて

フランソワ・オゾン監督・脚本:フランス・パリ出身の映画監督・脚本家。 1967年11月15日生まれ(55歳)

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ピエール・ニネ(アドリアン):イヴ・サンローラン財団公認の伝記映画「イヴ・サンローラン」(14)では、生き写しのような容姿や佇まいで天才デザイナーを演じ、本国だけでなく日本でも注目を集めています/繊細なフランス人青年を演じています。本当は第二次世界大戦中にドイツ人の若い兵士フランツを撃ち殺してしまいます。戦後良心に苛まれフランツの故郷まで、『許し』を得る為に訪れます。

パウラ・ベーア(アンナ):オーディションでオゾン監督に主役に抜擢された本作では、その演技が絶賛されヴェネツィア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)に輝き、セザール賞有望新人女優賞にノミネートされています/戦死したフランツのフィアンセ役。身寄りが無くフランツ亡き後もフランツの両親と一緒に暮している。フランツ゚の戦前パリ留学時代の友人として自ら紹介したアドリアンに惹かれていく。

『婚約者の友人』のネタバレ感想・見どころ

こんな事が実際に起こり得るのかと甚だ疑問に思いながら映画を見ました。衝撃の真実の種明かしをしてしまうと映画の面白さ、深みを味わう事が出来なくなりそうなので、未視聴の方の為に話さない様にします。

視聴の途中、うすうすとではありますが、アドリアンとフランツの関係も「そうじゃないかなぁ」という気持ちはありましたが、「まさか・・・」という思いの方が強く映画の展開に見入っていました。

アドリアンの本当の訪問目的は後々映画の中で打ち明けられるのですが、何と彼の目的は信じ難い事に「達成」されて無事フランスに帰国する事になります。

一方、途中まですっかり騙されたアンナはいつしか心優しいアドリアンに恋心を抱くようになります。ところが真実を打ち明けられた時、彼女の受けた衝撃はまったく想像もできない程重いものだったと思います。彼女はとても慈悲深いフランツの両親の対応にも学び、最終的に彼を許しています。この辺りは、西洋と東洋の考え方、信仰的な考え方も大いに影響しているのかもしれませんが、『寛大』とか『慈悲」とか言う言葉では言い表せない感情があるのかもしれません…

アンナはドイツからフランスにいるアドリアンに会いに行きます。お互いに「愛しあいながら」も一緒になる事をお互いに「拒否」しています。この気持ちは痛いほど分かります。また、ドイツにいるフランツの両親あてには、アドリアンと楽しく過ごしているという偽の手紙を書き続けるアンナの気持ち理解出来ます…

この不幸な戦争が無ければ、決して出会う事が無かった二人です。また、その出会い方も余りにも無慈悲で、残酷な出会い方にも驚きました。アドリアンが当初から正直に自己紹介しなかった事は仕方の無い事かも知れませんが、そのことが余計にアンナの心の傷を大きくしてしまった様に思えてなりません。

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