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公開中 新作映画『aftersun アフターサン』(2023/シャーロット・ウェルズ監督)感想‣父と娘の煌めく夏の想い出を回想

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『aftersun アフターサン』のあらすじと概要

父親と2人きりで過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。

11歳の夏休み、思春期のソフィ(フランキー・コリオ新人)は、離れて暮らす31歳の父親カラム(ポール・メスカル)とともにトルコのひなびたリゾート地にやってきます。まぶしい太陽の下、カラムが入手した家庭用小型ビデオカメラ「miniDV」を互いに向け合い、2人は親密な数日間の時間を過ごします。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆきます。

テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。スタジオ A24が北米配給権を獲得している作品です。

2022年製作/101分/アメリカ
原題:Aftersun

親子でもなく、舞台がリゾートでもありませんが、父親位の年の男性と10才の少女が一緒に旅をするロードムービーを何となく思い出してしまいました➢

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『aftersun アフターサン』のスタッフとキャストについて

シャーロット・ウェルズ監督・脚本:1987年、スコットランド出身、ニューヨークを拠点とするフィルムメーカー。

ポール・メスカル(父親カラム31歳):アイルランド出身。最新の出演作はマギー・ギレンホールの監督デビュー作『ロスト・ドーター』(21)。また、リドリー・スコットが前作に続いて監督することで注目を集める『Gladiator 2』の主人公・ルキウス役に抜擢されたことで期待が高まっています/穏やかな愛情と包容力を持つソフィの父親役、ソフィの兄と間違えられるほど若い。現在は妻と娘と別れて暮らす理由は語られることはありません。

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フランキー・コリオ(娘ソフィ11歳):スコットランド・リビングストン出身。およそ半年にわたって行われたオーディションで、800人ものなかから、ソフィ役を射止めてた新人/普段父親とは離れて暮らしています。しかし、大好きな父親と一緒にいる事がとても楽しくて楽しくてしょうがないという感情が溢れ出ています。

『aftersun アフターサン』のネタバレ感想・見どころ

普段は別れて暮らしている若い父親と娘が数日間を二人で、太陽の光が眩しいオーシャンリゾートで過ごした思い出を20年後の娘が回想して行く構成で綴られた物語です。

本作品を映画館で身乍ら、自分自身の楽しかった経験(娘と二人きりでニューヨークを一週間旅行した)を思い出しつつ、本映像とダブらせて思い出していました。当時娘は大学に入学した年、高校時代ニュージーランドに短期留学をしており、英語圏での生活に深い憧れを持っていました。わたしは会社に入社以来アジア、中近東、アフリカ他向けの商売を担当しており、アメリカとはほとんど縁が無く、仕事でも観光でもニューヨークを訪れたことがありませんでした。機会があれば一度は行ってみたいと思っていました。二人の目的がぴったりと合致しての旅行となりました。当時超円高の1ドル≒80円という信じられない円高を享受! 米国から帰国して「娘さんと二人で海外旅行が出来るなんて、一生に一度の思い出ですね!」と同僚によく言われました。全くその通りで、それ以降本当に機会はまったく無く、家族旅行で何回か行ったもののその内に娘にはそっぽを向かれてしまいました…

本編の父親カラムの場合は娘の夏休みを利用しての旅行、しかも異国トルコのリゾート地という設定でした。最後の方の語りから察するところ、ふたりはこの旅を最後にもしかすると二度と再会する事が無かったのかもしれません…それを思うと残された映像の中だけにあるかけがえのない「思い出」は20年の間、時間は止まり、太陽の光、海浜の波の光、スキューバダイビングでマスクを落としてしまった事、些細な事で父親と諍いを起こし、部屋に戻らなかったこと、バスツアーに参加して太極拳をした事等々、全てのシーンはより輝きを増して、宝物の様に結晶化して珠玉の思い出となっていったことが想像されます。

ウェルズ監督自身の実体験もかなりの部分が再現されていると思われます。撮影していて当時を思い出し、楽しかった父との思い出を懐かしんでいたのではないかという気がします。一方、時々差し込まれるダンスシーンやらちょっと謎めいた映像があります。また、当時ソフィが気付く事がなかったカラムの表情(詳細は語られる事はありませんが、何となく意味深である様子…)などなど、単なる家庭用ムービー映画の再現ではないところがちょっと深いところかも知れません。

また、娘の立場で見るか、あるいは父親の立場で見るかによって、感じからも随分違うのかなという気がします。出来れば父親の背景、素性をもう少し語って欲しかったかなと思います。

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