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公開中 おすすめ映画『ファースト・カウ』(2020/ケリー・ライカート監督)感想‣西部開拓時代甘いドーナツで一攫千金を夢見る男たち!?

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『ファースト・カウ』のネタバレ感想・見どころ

ビーバーの毛皮を求めてオレゴン州の山奥に入る猟師たちの炊事係として彼らに同行する男クッキーが主人公。彼は炊事だけではなく食料調達も任されていました。ふとしたきっかけで中国人移民の男と知り合い、同じく一獲千金の夢を追っていることで意気投合して行きます。

クッキーは嘗てボストンのパン屋で修行した為、都会でしか味わえないようなドーナツを焼き上げる能力を発揮し、オレゴンの田舎で地元民相手に二人組は商売を始めます。ところが、ドーナツの味付けに必須であった牛乳は村長である仲買商が飼っている雌牛から盗んで乳を搾っていました。いずれはバレる事を心配していました。

ある夜、とうとう村長の手下に盗んで搾乳している現場を感づかれ、ふたりは命からがら逃走します。追手をかわし、暫くしてから二人の住居に立ち戻り二人は再会を果たします。今まで蓄えた金を手に逃走を計るのですが…

暗闇の夜のシーン、あるいは掘っ建て小屋の様な非常に粗末な小屋、鬱蒼と茂る原始の森、川は滝の様な奔流となって流れています。先住民と白人、中国人らが一緒に暮し小さなコミニュティーを形成している様子などもかなり新鮮な印象でした。そもそも本作のテーマである、西部で”ドーナツ”作りというのも意外でしたが…さらにいわゆる”西部劇”で見慣れた数十頭、数百頭の牛の群というシーンは本作では僅か一頭のメス牛が船に乗せられ川を渡るという意表を衝く登場でした。そしてかなり風変わりな”西部劇”となっています。インディ映画界の俊英ケリー・ライカート監督の長編7作目の作品です。未だ見ていない他作品にも大変興味が湧いてきました…

『ファースト・カウ』の概要・あらすじ

「オールド・ジョイ」「ウェンディ&ルーシー」などの作品で知られ、アメリカのインディペンデント映画界で高く評価されているケリー・ライカート監督が、西部開拓時代のアメリカで一獲千金の成功を夢みる2人の男の友情を、これまでの定型的な西部劇の風景とは180度異なる、アメリカの原風景を切り取った美しい映像と心地よい音楽にのせて描いたヒューマンドラマ。

1820年代太平洋岸、西部開拓時代のオレゴン州。アメリカンドリームを求めて未開の地へ移住した料理人クッキーと中国人移民キング・ルーは意気投合し、ある大胆な計画を思いつきます。それは、この地に初めてやってきた“富の象徴”である牛からミルク(毎晩忍び込んで搾乳)を盗み、ドーナツをつくって一獲千金を狙うというビジネスでした。

クッキー役に「マネー・ショート 華麗なる大逆転」のジョン・マガロ。これまでライカート監督作の脚本を多く手がけてきたジョナサン・レイモンドが2004年に発表した小説「The Half-Life」を原作に、ライカート監督と原作者レイモンドが脚本を手がけています。2020年・第70回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品。

2020年製作/122分/アメリカ
原題:First Cow

『ファースト・カウ』のスタッフとキャストについて

ケリー・ライカート監督・脚本:1964年、米フロリダ・マイアミで生まれ。インディ映画界の俊英、本作は7本目の長編監督作。本作は、ベルリン国際映画祭など、世界中の映画祭で計157部門にノミネート、27部門を受賞しています。

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ジョン・マガロ(フィゴウィッツ/愛称クッキー):米東部出身のユダヤ系料理人、ボストンのパン屋で技を身に着けていた。毛皮を狙って旅をする猟師ら一行に”料理人兼食料捕獲担当者”として雇われて随行する役割を負う。

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オリオン・リー(キング・ㇽ―):9歳で母国中国を離れ世界をめぐっている人物。英語が堪能。

トビー・ジョーンズ(村の村長=ファクター、仲買商):たった一頭の雌牛、町で最初の乳牛が、毛皮(ビーバー)取引で財をなした英国人仲買人の「紅茶にクリーム」との欲求を満たすため買い上げられました。注文は番の1頭ずつでしたが、オスは途中で死んでしまいました。

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