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おすすめ新規公開映画『エンパイア・オブ・ライト』(2022/サム・メンデス監督)感想‣メンデス監督が5度アカデミー賞作品賞を世に送り出したサーチライト・ピクチャーズとタッグを組んだ最新作

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『エンパイア・オブ・ライト』のあらすじ概要

「アメリカン・ビューティー」「1917 命をかけた伝令」名匠サム・メンデスが、「女王陛下のお気に入り」のオリビア・コールマンを主演に迎えて描いたヒューマンドラマ。

厳しい不況と社会不安に揺れる1980年代初頭サッチャー政権下の英国社会。海辺のリゾートの町マーゲートで地元の人々に愛されている映画館・エンパイア劇場で働くヒラリーは、つらい過去のせいで心に深い闇を抱えていました。そんな彼女の前に、大学に進学して建築を学ぶ夢を諦めて映画館で働くことを決意した黒人青年スティーヴンが現れます。過酷な現実に道を阻まれてきた彼らは、映画館という独特な雰囲気の職場の仲間たちの優しさに守られながら、少しずつ心を通わせていきます。前向きに生きるスティーヴンとの交流を通して、生きる希望を徐々に見いだしていくヒラリー、時代の波によって彼らは想像以上の更なる試練に直面することに……。

「ブルー・ストーリー」のマイケル・ウォードがスティーヴンを演じ、「英国王のスピーチ」のコリン・ファース、「裏切りのサーカス」のトビー・ジョーンズらイギリスが誇る豪華キャストが共演。撮影は「1917 命をかけた伝令」でもサム・メンデスとタッグを組んだロジャー・ディーキンス。サム・メンデス監督が5度アカデミー賞作品賞を世に送り出したサーチライト・ピクチャーズとタッグを組んだ最新作です。

2022年製作/115分/イギリス・アメリカ合作
原題:Empire of Light

ロッテントマト支持率:45%

Sophia NelによるPixabayからの画像

『エンパイア・オブ・ライト』のスタッフとキャストについて

サム・メンデス監督:1999年公開の映画監督デビュー作『アメリカン・ビューティー』でアカデミー監督賞、ゴールデングローブ賞 監督賞を受賞しています。

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オリヴィア・コールマン(ヒラリー):精神的な問題を抱えながらも職場である映画館に復帰しているベテラン従業員。真面目な性格で職場で幾らでも映画が見られる環境に居ながら、観客ではないとして映画を余り見た事が無い。読書家。著名な詩人の詩句を度々暗誦している。

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マイケル・ウォード(スティーヴン):建築学を学ぶ為に大学進学の希望を断たれ、映画館で働き始めた黒人青年。母親は看護師として働いている。レゲエ音楽の趣向がある。

コリン・ファース(エリスさん):伝統あるエンパイヤ―映画館の支配人、従業員であるヒラリーの弱みを握り淫らな関係を持つ。

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トビー・ジョーンズ(ノーマン):映画館の映写技師、誠実なスティーヴンを見込んで映写の技術を引き継ごうとしている。

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Sophia NelによるPixabayからの画像

『エンパイア・オブ・ライト』のネタバレ感想・見どころ

ネタバレ有り。

ちょっと古めかし伝統ある映画館『エンパイア』を舞台とする人間ドラマ。映画館の歴史を振り返る様なドラマかと思いきや、まるで見当違いで、80年代の映画館に集う従業員たちの温まる心の交流が描かれていました。

舞台となった美しい町マーゲイトと由緒ある映画館『エンパイア』

本作品『エンパイア・オブ・ライト』イングランド南東部ケント州の海辺の街マーゲートが舞台となっています。夏もあまり海外へバカンスに出掛けない英国人たちが、浮き輪やビーチボールを片手にやって来るロンドンから近場のビーチリゾート。日本の東京の感覚からすれば江の島・逗子といった感じなんでしょうか。舞台となった立派な格調高い映画館『エンパイヤ』はその美しい海岸線が目の前に広がる一等地に立っています。また、英国を代表する風景画家J・M・W・ターナーがここマーゲイトに滞在する際利用した住居の跡に、2011年に美術館が建設されたということなので、ロンドンから小旅行で訪問するのもいい所なのかも知れません。

過酷な現実に道を阻まれてきた男女の再生の物語

ストーリーはちょっと渋めな感じです。心を病み問題を抱えている中年女性ヒラリーは映画館のベテラン従業員として登場。新たに加わった黒人青年スティーヴンとの交流が始まり、人種・年齢差を超えお互いに心を開き合うシーンはとても自然に描かれていきます。ところが、ヒラリーとスティーブンのカップルはロンドンで見掛ける赤い二階建てバスに乗り込み、町から更に離れた海岸に出掛けて行きます。そこでなんと砂バケツとスコップを持ち出し、大きな砂の城郭造りに興じているではありませんか!童心に返って一心不乱に砂遊びと思いきや、話はあらぬ方向へエスカレート、ヒラリーは精神のバランスを崩し、喚きながら砂のお城を崩してしまいます…こんなところは、ヒラリーの心の不安定さを表現していました…

何やかや問題はあるものの、二人は前向きな人生を再開し始めた矢先、この町にも押し掛けたレイシズムの暴力によりスティーヴンは心身共に大きな打撃を受けてしまいます。

ヒラリーの職場への再復帰、スティーヴンの大学への進学の夢が叶うなど晴れやかに映画は締め括られます。コールマンの圧巻の演技力に加え、マイケル・ウォードの物静かながら意志の強さを滲ませる演技も絶対見逃せません…

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