長い下積み時代にどんな端役であっても丁寧に演じてきたことに加え、信頼できる交友関係を築いていたことも成功の秘密だったとか! 『ヘルプ 心がつなぐストーリー』(2011/テイト・テイラー監督)で花開き、この作品でこの年のアカデミー賞を始め数々の助演女優賞をほとんど全て獲得するという快挙を成し遂げています。いつ見ても「面倒見の良いおばさん」役でどっしりとした安心感を与えてくれる素晴らしい演技は人柄がにじみ出ているような気がします。
- 『S.W.A.T.』(2003/クラーク・ジョンソン監督)
- 『ヘルプ 心がつなぐストーリー』(2011/テイト・テイラー監督)
- 『マルコビッチの穴』(1999/スパイク・ジョーンズ監督)
- 『コーチ・カーター』(2005/トーマス・カーター監督
- 『サンダーフォース -正義のスーパーヒロインズ-』(2021/ベン・ファルコーン監督)
- 『魔女がいっぱい』(2020/ロバート・ゼメキス監督)
- 『パパが遺した物語』(2015/ガブリエレ・ムッチーノ監督)
- 『ドリーム』(2016/セオドア・メルフィ監督)
- 『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017/ギレルモ・デル・トロ監督)
- 『gifted ギフテッド』(2017/マーク・ウェブ監督)
『S.W.A.T.』(2003/クラーク・ジョンソン監督)
1970年代に米国で製作されたテレビ人気ドラマシリーズ『特別狙撃隊S.W.A.T.』のリメイク作品。
ロサンゼルスを舞台とするSWATに所属している警察官の活躍を描く作品です。SWATの新チーム結成と訓練をリアルに描写する前半と、麻薬王アレックスの護送任務に端を発する大がかりな市街戦が展開される後半との二部が描かれています。
国際指名手配を受けていた麻薬王アレックスが「逃がしてくれたヤツには1億ドル払う」と宣言した為、街中のギャングがその賞金のため彼の奪回を計画。そんな状況の中、相棒のせいでS.W.A.T.から追放され倉庫係をしていたストリート、女性ながらすご腕のサンチェスらがアレックス護送の任務に当たります。監督は俳優として「ニック・オブ・タイム」などで活躍、TV監督を経て映画に進出したクラーク・ジョンソンが担当しました。
(通行人で堂々登場!)
おすすめ映画|『S.W.A.T.』(2003/クラーク・ジョンソン監督)
『ヘルプ 心がつなぐストーリー』(2011/テイト・テイラー監督)
1960年代の公民権運動を背景とし、人種差別が多く残っていた米ミシシッピ州ジャクソンを舞台に、白人女性スキ―ターと2名の黒人家政婦(メイド)たちの友情が旧態依然とした街を変革していく様子を描いたベストセラー小説の映画化。
南部の上流階級に生まれた作家志望のスキーターは、当たり前のように黒人のメイドたちに囲まれて育ったが、大人になり白人社会に置かれたメイドたちの立場に疑問を抱きはじめる。真実を明らかにしようとメイドたちにインタビューを試みるスキーターだったが、事実を話したくても、話した事が公になった場合、自分の身に降り掛かる禍を気にして、誰もが口を閉ざすばかり。
実際のメイドに対する待遇は理不尽で、不平等そのものでした。「雇い主のトイレに入ってクビになった」「どんなに困っていてもわずかなお金さえ貸してくれない」「泥棒呼ばわりされた」などなど、気の毒な話が満載でした。そんな中、ひとりのメイドがインタビューに応じたことから、社会全体を巻き込んだ大きな事態へと進展して行きます。
主演はエマ・ストーンとビオラ・デイビス。監督は「ウィンターズ・ボーン」などにも出演している俳優のテイト・テイラー。第84回アカデミー賞でオクタビア・スペンサーが助演女優賞を受賞した。 また、本作品は評論家に高評価され、商業的にも製作費2500万ドルに対し、興行収入は1億7500万ドルを超える成功作となっています。
おすすめ映画|『ヘルプ 心がつなぐストーリー』(2011/テイト・テイラー監督)
『マルコビッチの穴』(1999/スパイク・ジョーンズ監督)
定職のない人形使いのクレイグ(ジョン・キューザック)とペットショップ店員の妻ロッテ(キャメロン・ディアス)は倦怠期の夫婦。クレイグは新聞の求人欄を見てマンハッタンにあるオフィスビルの7と1/2階にある小さな会社”LesterCorp” に就職する。文書整理の仕事を得た彼は、ある日落としたファイルを拾おうとキャビネットを動かし、偶然壁に小さなドアを発見する。ドアを開けて穴の中に入った彼は、それが15分間だけ俳優ジョン・マルコヴィッチの脳へと続く穴であることに気付きます。これを使い、クレイグは上司のマキシン(キャサリン・キーナー)と共に商売を始めますが、マルコヴィッチの穴は、彼と妻ロッテの人生を大きく狂わせていくことになってしまいます。
「ジョン・マルコヴィッチの頭に通じる穴を見つける」という奇想天外な脚本が受け、脚本を担当したチャーリー・カウフマンは数々の賞を受賞しています。また、出演者であるジョン・マルコビッチ自身はニューヨーク映画批評家協会賞で助演男優賞を受賞しています。
おすすめ映画|『マルコビッチの穴』(1999/スパイク・ジョーンズ監督)こんな世界が本当にあったらどうしよう!
『コーチ・カーター』(2005/トーマス・カーター監督
「セイブ・ザ・ラストダンス」「ネゴシエーター」のトーマス・カーター監督が、99年に実際にカリフォルニア州・リッチモンド高校のバスケットボール・チームで起こった出来事を元に描く感動の実話ストーリー。
リッチモンド高校は、落ちこぼれ生徒たちの集まりで、大学へ行く者はごくわずか、卒業した生徒の半分が逮捕される現状だった。この高校(母校)でバスケット・コーチとなったケン・カーター(スポーツ店を経営しているが、高校時代、元全米代表選手である伝説のバスケット・ボール選手だった)は、チームメンバーの将来を考えて、バスケの技術を教えるよりも先に、選手たちとある契約を交わす。それは「学業で決められた成績以上を残すこと」「授業には必ず出席し、最前列で聞くこと」「試合の日にはジャケット・ネクタイを着用すること」といったものだった。これを守らない者は試合に出さないという「契約」内容であった。
成績不良の為、コーチはリーグ戦の2試合を失っても彼らの成績を向上させようとし、体育館を封鎖してしまう。
カーター役はサミュエル・L・ジャクソン。R&B界の歌姫、人気ミュージシャンのアシャンティの映画初出演も話題となった。
おすすめ映画|『コーチ・カーター』(2005/トーマス・カーター監督 )生徒達にバスケを通じ自らの将来を切り開く術を教えていく実話映画
『サンダーフォース -正義のスーパーヒロインズ-』(2021/ベン・ファルコーン監督)
「ゴーストバスターズ」のメリッサ・マッカーシーと「ドリーム」のオクタビア・スペンサーが共演したアクションコメディ。超能力を持つ悪者“ミスクリアン”たちが街で暴れまわるようになった世界(シカゴ)。
幼い頃に両親をミスクリアンに殺された科学者エミリー(オクタビア・スペンサー)は、普通の人間に超能力を発現させる研究をついに完成させる。そんな矢先、高校時代にケンカ別れした親友リディア(メリッサ・マッカーシー)がエミリーの前に現れ、ひょっとしたトラブルから、リディアがエミリーの研究室で予期せずスーパーパワーを手に入れてしまう。そして2人とも超能力(怪力・透明人間)を獲得してしまう。2人はミスクリアンから街を守るべく立ち上がりスーパーヒーローチーム(サンダーフォース)を組む事になるが、、、
共演は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」のポム・クレメンティエフ、「ザ・ファイター」のメリッサ・レオ、「モンスター上司」のジェイソン・ベイトマン。マッカーシーの夫である「タミー Tammy」のベン・ファルコーンが監督・脚本を担当している。
おすすめ映画|『サンダーフォース -正義のスーパーヒロインズ-』(2021/ベン・ファルコーン監督)強烈パワーのスーパーヒロインズ!
『魔女がいっぱい』(2020/ロバート・ゼメキス監督)
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のロバート・ゼメキス監督が手がけたファンタジー。
「チャーリーとチョコレート工場」で知られる児童文学作家ロアルド・ダールの「魔女がいっぱい」を原作に、「プラダを着た悪魔」「レ・ミゼラブル」のアン・ハサウェイが世界一恐ろしいと言われる大魔女(グランド・ウィッチ)を演じた。
1960年代、とある豪華ホテルに現れた、おしゃれで上品な美女。しかし、彼女の正体は誰よりも危ない邪悪な大魔女(グランド・ウィッチ)だった。この世に魔女は実在し、世界中に潜んでいる。いつまでも若く、おしゃれが大好きな魔女たちは、人間のふりをして普通の暮らしを送りながら、時々こっそりと人間に邪悪な魔法をかけている。彼女たちはいつまでも若く、おしゃれが大好きで、いつも帽子をかぶり長い手袋をしているそうです。そして人間のふりして普通の暮らしをしながら時々こっそり人間に邪悪な魔法をかけている。また、彼女たちの存在に気づいている人間はいない――気づいた人間はすべて、魔法でにわとりやネズミなどの動物に変えてしまうからです。
そんな魔女たちの頂点に立つ大魔女が、魔女たちを集め、ある計画を目論んでいました。魔女の大嫌いな存在は子供たちだそうで、子供を動物に変えてしまう相談をしています。そして、ひとりの少年が偶然魔女の集会に紛れ込み、その計画を知ってしまいますが、その結末は!
「シェイプ・オブ・ウォーター」のギレルモ・デル・トロが製作と脚本に参加。「ROMA ローマ」のアルフォンソ・キュアロンも製作に名を連ねる。
おすすめ映画|『魔女がいっぱい』(2020/ロバート・ゼメキス監督)アン・ハサウェイが大魔女を演じるファンタジー
『パパが遺した物語』(2015/ガブリエレ・ムッチーノ監督)
「幸せのちから」のガブリエレ・ムッチーノ監督が、ニューヨークを舞台に父と娘の絆を描いたヒューマンドラマ。「レ・ミゼラブル」でも共演したラッセル・クロウとアマンダ・セイフライドが、主人公となる父娘に扮した。
ピューリッツア賞受賞作家の小説家のジェイクは交通事故により同乗していた妻を亡くし、自身も入院を余儀なくされ、退院するが長らく後遺症の発作に悩む事になる。退院したジェイクは、しばらく義姉家族に預けていた溺愛する7歳の娘ケイティに、これからは「ずっと一緒」だと約束し、執筆に専念する傍ら、男でひとつで子育てに奮戦します。それから25年後、立派な大人になったケイティですが、悲しい過去の経験から他人を愛せなくなってしまっていいました。その後、娘と自分について綴った父の遺作を敬愛する作家志望のキャメロンと知り合い、恋に落ちます。キャメロンとの出会いをきっかけに、ケイティは自身の過去と向き合い、新たな生活を開始しますが、やはりいくつもの困難を乗り越えていかなければなりません。
映画感想|『パパが遺した物語』(2015/ガブリエレ・ムッチーノ監督)ラッセル・クロウ主演の感動ドラマ。
『ドリーム』(2016/セオドア・メルフィ監督)
1962年に米国人として初めて地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士ジョン・グレンの功績を影で支えた、NASAの3人の黒人系女性スタッフ、キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ボーン、メアリー・ジャクソンの知られざる物語を描いたドラマ。本作はマーゴット・リー・シェッタリーのノンフィクション小説『Hidden Figures』を原作としている
ソ連とアメリカの宇宙開発競争が繰り広げられていた61年、米バージニア州ハンプトンにあるNASAのラングレー研究所に、ロケットの打ち上げに必要不可欠な計算を行う黒人女性グループがいた。なかでも天才的な数学の才能をもつキャサリンは、宇宙特別研究本部の計算係に抜てきされるが、白人男性ばかりのオフィス環境は、キャサリンにとって決して心地よいものではなかった。依然として白人と有色人種の分離政策が行われていた時代背景があります。一方、ドロシーとメアリーもそれぞれ、黒人であるというだけで理不尽な境遇に立たされますが、それでも3人はひたむきに夢を追い続け、やがてNASAの歴史的な偉業に携わることになります。
米・映画批評誌IGNでは『忘却の彼方に追いやられた―そこまでは行かなくとも、多くの人々に知られていない―黒人女性たちを見事に描ききっている。俳優陣による上質の演技と優れた物語によって、本作は観客の時間と金、注目を得るに値する娯楽映画になっている』と絶賛されています。
キャサリン役で「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」のタラジ・P・ヘンソンが主演し、ドロシー役を「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のオクタビア・スペンサー、メアリー役を「ムーンライト」などにも出演している歌手のジャネール・モネイが演じた。監督は「ヴィンセントが教えてくれたこと」のセオドア・メルフィ。ミュージシャンのファレル・ウィリアムスが製作と音楽を担当しています。
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『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017/ギレルモ・デル・トロ監督)
フランコ独裁政権下で孤独な少女の非合理な夢想を紡いだ傑作「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロが監督・脚本・製作を手がけ、2017年・第74回ベネチア国際映画祭の金獅子賞、第90回アカデミー賞の作品賞ほか4部門を受賞したファンタジーラブストーリー。
1962年、冷戦下のアメリカが舞台。政府の極秘研究所「航空宇宙研究センター」で夜勤の清掃員として働く女性イライザは、研究所内に密かに運び込まれた不思議な生き物を目撃します。イライザはアマゾンで神のように崇拝されていたという不思議な生き物である”彼”にすっかり心を奪われ、こっそり会いに行くようになります。幼少期のトラウマで声が出せないイライザでしたが、“彼”とのコミュニケーションに言葉は不要で、2人は少しずつ心を通わせていくようになります。
そんな矢先、イライザは“彼”が生体解剖の実験の犠牲になることを知り、無謀な救出作戦を決行します。
「ブルージャスミン」のサリー・ホーキンスがイライザ役で主演を務め、イライザを支える友人役に「ドリーム」のオクタビア・スペンサーと「扉をたたく人」のリチャード・ジェンキンス、イライザと“彼”を追い詰める軍人ストリックランド役に「マン・オブ・スティール」のマイケル・シャノン。アカデミー賞では同年最多の全13部門にノミネートされ、作品、監督、美術、音楽の4部門を受賞した。
おすすめ映画|『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017/ギレルモ・デル・トロ監督)珠玉のファンタジー・ロマンス!
『gifted ギフテッド』(2017/マーク・ウェブ監督)
「キャプテン・アメリカ」「アベンジャーズ」シリーズのクリス・エバンスが幼い姪に愛情を注ぐ独身男を演じ、「(500)日のサマー」「アメイジング・スパイダーマン」のマーク・ウェブ監督がメガホンをとったファミリードラマ。
生まれて間もなく母親を亡くした7歳のメアリーは、独身の叔父フランクと片目の猫フレッドとフロリダ・タンパ付近の小さな町でささやかながら幸せな毎日を送っていました。しかし、メアリーに天才的な特別な数学の才能がある事が明らかになることで、静かな日々が揺らぎ始めます。メアリーの特別扱いを頑なに拒み、「この子にごく普通の生活を」と願うフランクに対して、小学校の教師たちは彼女を名門校への転校を薦め、更に縁を切ったはずのフランクの母イブリンが突然現れ、孫のメアリーに最高級の英才教育を施すため2人を引き離そうとします。そんな母に抵抗し、養育権をめぐる裁判にのぞんだフランクには、亡き姉から託されたある秘密がありました。
おすすめ映画|『gifted ギフテッド』(2017/マーク・ウェブ監督)天才子役が数学の天才児役を演じる
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