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新作映画『ホワイト・ノイズ』(2022/ノア・バームバック監督)感想‣化学物質の流出事故に見舞われ家族を守った大学教授に、更にもう一つの大惨事!

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映画『ホワイト・ノイズ』のあらすじ概要

「マリッジ・ストーリー」「フランシス・ハ」のノア・バームバック監督が、アダム・ドライバーを主演に迎えて描く風刺的なブラック・コメディ。

原作は、アメリカの作家ドン・デリーロによる同名小説。鉄道衝突事故により化学物質の流出事故に見舞われ、死を恐れるあまり錯乱してしまった大学教授(米中西部の大学で「ヒトラー学」を教える)が、4番目の妻や連れ子たち家族とともに命を守るため逃走する。現代アメリカに生きる家族が死を身近に感じる環境という非日常の中で、愛や幸福といった普遍的な問題に向き合っていく姿を描いています。なお、本編はNetflixで2022年12月30日から配信予定です。

 

2022年製作/136分/アメリカ
原題:White Noise

映画『ホワイト・ノイズ』のスタッフとキャストについて

ノア・バームバック監督・脚本・製作:米ニューヨーク市ブルックリン出身。1995年、脚本も手がけた「彼女と僕のいた場所」(日本劇場未公開)で監督デビューしています。

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アダム・ドライバー(ジャック・グラドニー):11年の「J・エドガー」で長編映画に初出演後、映画「フランシス・ハ」(12)、「リンカーン」(12)、「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」(13)と有名監督の作品にも出演。ハリウッドの演技派俳優の中でも群を抜く存在といわれています。

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グレタ・ガーウィク(バベット・グラドニー):米カリフォルニア州サクラメント出身。ノア監督「フランシス・ハ」(12)では脚本と主演を兼ね、ゴールデングローブ賞ミュージカル/コメディ部門の主演女優賞にノミネートされています。

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ドン・チードル(マレー・シスキンド):実話を基にした「ホテル・ルワンダ」(04)でアカデミー主演男優賞にノミネートされています。

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evelynloによるPixabayからの画像

映画『ホワイト・ノイズ』のネタバレ感想・見どころ

【ネタバレ有り】

見終わった後の感想としては、かなりの情報量の多さに圧倒されました。観賞するにはある程度の”覚悟”が必要かなと思いました。

一つは会話のやり取りが凄まじい勢いで飛び交うので字幕ではとても追い切れない程の速さに驚きました。たわいない内容ですが、家族構成が少々複雑で、人数も多いのです。夫婦共に4度目の結婚相手でしかも連れ子が多い。しかもどの子の話も子供離れした内容でとても理屈っぽい。

二つ目は、ストーリーの展開は大きく二つだと思います。1)大列車事故による有毒物資が放出され近隣の住民が避難するという大惨事が発生し、避難所への逃走、川に陥り水没しかけた自動車が再度浅瀬からよもやの生還を果たすなど、未曽有の大惨事の中どうにかこうにか一家は力を合わせて切り抜ける事が出来ます。

話はこれだけでは終わりません。ストーリーの大きな山場は更に後に続きます。2)妻バベットが常用している不可解な白い錠剤の謎を突き詰めていくと、とんでもないショッキングな事実が炙り出されて来ます。(詳細は映画を見てのお楽しみです)わたしはこんなことが有り得る事なのだろうか!観賞後未だに信じられない心境です。さらに妻バベットの懸念が見事に的中し、夫ジャックはとつもない大胆な恐ろしい行動に出ます。これもそんなことありかぁ〜と、びっくり仰天してしまいました。(口が裂けてもその内容は言いませんが…)

アダム・ドライバーは大学教授役です。しかも、大学では「ヒトラー学」を教えています。北米では第一人者という事ですが、どうやらドイツ語を基礎から勉強を始めたばかりの様子。また、ドン・チードル演じる同じく大学教授は「エルビス・プレスリー学」を教えていました…暇さえあれば教授仲間たちは食堂、レストランに集い会話を楽しんでい様子が描かれます。その会話内容はかなり低俗でした…

昔、ボブ・ディランの大ファンである武田鉄矢がDJをやっていたラジオ番組で、アメリカには「ディラン学者」がいて、ディランの詩の難解な一字一句を解釈する学問があると放送で話しているのを思い出しました。(わたしも難解なディランの詩が大好きです!)「プレスリー学者」も当然あるのだろうと思いますが…大学での講義振りも中々の見ものではありました。

風変わりな作品が多いノア・バームバック監督ですが、本編も従来の作品と一味二味違った作品として非常に印象深く、楽しむ事が出来ました。(136分)

 

 

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