『アナライズ・ミ―』のあらすじ概要
ニューヨークの悪名高いマフィアのボス、ポール・ヴィッティは対立するプリモ・シンドーネ・ファミリーとの対決を目前に控えたある日、原因不明の息が苦しくなるストレス性発作に悩まされていました。
ポールは腹心のジェリーの紹介で、精神科分析医ベン・ソベルの治療を受ける事になりますが、ベンにとってはまさに災難、ポールは時間も場所もお構いなしにベンを呼び出し、私情よりもポールの治療を最優先させられるハメになります。かねてから予定していたフロリダでの再婚相手、TVレポーターローラとの結婚式までもメチャクチャにされてしまいます。結婚式は延期されてしまいます。
しかし、ベンは治療を続けるうちに、ポールが少年時代に父親を目の前で殺されていた事を知り、これが彼のトラウマになっているのではないかと確信するようになります…
ロッテントマト支持率:69%
1999年製作/104分/アメリカ
原題:Analyze This
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『アナライズ・ミ―』のスタッフとキャストについて
ハロルド・ライミス監督・脚本:米シカゴ出身。ワシントン大学卒後、教師などの職を経て、男性誌「プレイボーイ」でジョーク原稿を執筆。その後、地元シカゴのコメディ集団「セカンド・シティ」に所属し、同じくセカンド・シティ出身のジョン・ベルーシやビル・マーレイと共演したラジオ番組「ナショナル・ ランプーン・レディオ・アワー」(73)で人気を博す。
78年、アイバン・ライトマンが製作した「アニマル・ハウス」でダグラス・ケニーとクリス・ミラーとともに脚本を執筆し、ハリウッドに進出。
ロバート・デ・ニーロ(ポール・ヴィッティ):60年代後半から映画界でも活動し、ブライアン・デ・パルマ作品などに出演。1973年の「ミーン・ストリート」で監督のマーティン・スコセッシとともに注目を集め、「ゴッドファーザー PART II」(74)でビトー・コルレオーネの青年時代を演じ、アカデミー賞助演男優賞を受賞しています。
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ビリー・クリスタル(ベン・ソベル医師):当初はスタンダップ・コメディアンとして活躍し、その後人気番組である『サタデー・ナイト・ライブ』へ出演し全国的な人気を博す。これまで6回エミー賞を受賞しています。
リサ・クドロー(ベンの再婚相手ローラ・マクナマラ):1992年から始まったテレビドラマ『あなたにムチュー』で、風変わりなウェイトレス、アースラでセミレギュラーとして出演し、注目を集め、1994年開始のテレビドラマ『フレンズ』で、主役の1人である、風変わりな女の子フィービーを10年以上演じ、スターの仲間入りをしています。
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『アナライズ・ミ―』のネタバレ感想・見どころ
ネタバレ有り。
ハロルド・ライミス監督はあの懐かしい名作『アニマル・ハウス』(78)の脚本も手掛けていたという事が十分納得できる笑いのセンス満載の痛快娯楽映画でした。
マフィアのボス、ポール・ヴィッティの周りを固める手下も敵対する親分衆もかなりの強面乍ら、ベン医師もその迫力に負けじとラストで大一番の芝居を打ちます。そのシーンが一番の見どころだったと思います。当初、ベン医師はポールと関わりを持つ事が嫌で嫌で堪らなかったのですが、何度も無理やりカンセリングをさせられている内にポールの『トラウマ』に気付く事が出来ます。父親が目の前で殺害されるシーンに立ち会ってしまいましたが、助ける事が出来なかった事を一生後悔し続けていたのです。
ポールの内面深く閉じられていた思いを聞き出してあげる事で、わだかまりも少し氷解することが出来た様です。
マフィアの大ボスが泣き崩れたりするシーンは本当はあり得ないと思います。しかし、そこはコメディー映画ときっぱり割り切って見た方が楽しめると思います。ベン医師の見立てを「あんたは名医だ!」とおだてるシーンが何度も出てきます。ポールがベン医師のカウンセリングを受けるうちに、少し心が晴れ晴れして来て、感謝の気持ちをちょっとオーバーに表したあの表情、演技とも、素の顔ともつきませんが視聴者までも引きづり込むような満面の笑顔で「あんたは名医だ!」と感動するこのシーンは最高でした…
最後も銃撃のシーンでベン医師は倒れた弾みで、ポールの盾となり彼をかばいます。これもベン医師は偶然転んだ弾みでそうなっただけだ正直に話しますが、転びながらも自然体で防御してくれたと勝手に解釈をし感謝しまくります…
ドタバタ悲喜劇の中でも、ひたすら冷静さを装っている気丈な花嫁ローラ(演:リサ・クドロー)の存在感も非常に大きかったと思います。彼女の目を通して、一般視聴者は目の前で展開されるハチャメチャなストーリーを、実際に自分に起こっている”事実”として捉える事が出来ます。名前を知っている恐ろしいマフィアのボスが旦那の患者である。結婚式に天井から死体が降って来て式を台無しにされる。トレビの泉の様な噴水をプレゼントされる…彼女の驚きは全て視聴者の驚きとして実感させられました。
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