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おすすめ映画|『荒野にて』(2017/アンドリュー・ヘイ監督)天涯孤独の少年と一頭の馬との放浪の旅路

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荒野にて の作品情報

アンドリュー・ヘイ監督・脚本 (1973年 イギリス生まれ、映画の仕事の枠を広げる為、ハリウッドに渡り巨匠リドリ―・スコット監督の『グラディエーター』(00)、『ブラックホーク・ダウン』(01)の編集補佐を務めキャリアを築いた。映画『さざなみ』(15)では主演女優シャーロット・ランプリング(70歳)がアカデミー賞に初ノミネートされたことで話題を呼んだ。)

原作 「ウィリー・ヴロ―ティン」の小説「Lean on Pete」

主演:チャーリー・プラマー :(チャーリー・トンプソン役)1999年ニューヨーク州、ポキプシー生まれ。本編映画でベネチア映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞(最優秀新人賞)、デビュー作は日本未公開の『King Jack』(15)評価は高い。『The Dinner』リチャード・ギア主演映画だがこれも日本未公開、他に昨年公開の『ゲティ家の身代金』(18)に出演し、当時フォーチュン誌によって”世界一の大富豪”に認定されたゲティオイル社社長の石油王のジャン・ポール・ゲティの孫「ゲティ3世」を演じている。

映画感想|『ゲッティ家の身代金』(2017/リドリ―・スコット監督)

出演:トラヴィス・フィメル :レイ・トンプソン、チャーリーの父親役。
   クロエ・セヴィニー – ボニー:女性騎手役
   スティーヴ・ブシェミ – デル・モンゴメリー:厩舎のオーナー役。

公開 2018年 イギリス/アメリカ、上映時間 122分

荒野にて のあらまし

チャーリーは15才、長らく父親のレイと2人暮らし。オレゴン州ポートランドのデルタ・パークで暮らしていた。ある日、チャーリーは、デルタ・パーク内の競馬場に馬を出走させるために来ていた馬主のデルと知り合い、厩舎で馬の世話をする仕事を見つけた。

しばらくの後、父親は寝取った女の亭主に襲撃されて大怪我をし入院することになった。チャーリーは厩舎の仕事でリーン・オン・ピートという名前の競走馬との絆を深めていった。父親は、傷がもとで敗血症を起こし死んでしまう。チャーリーには身寄りと言える人は、ずっと昔に父親と3人で一緒に暮らしていたことのあるマージ伯母だけで、彼女のところに行けなければ、養護施設へ預けられるのだった。

しかし、父親はマージ伯母の連絡先を伝えることなく死んでしまった。チャーリーは荷物をまとめて、デルタ・パークの厩舎に逃げ込んで、ピートの横の小部屋ですごし始めた。やがて、ピートは売却馬だけのレースでも勝てず、デルはピートをメキシコに売る(おそらく屠殺される)ことにした。

チャーリーは、ピートをデルのトレーラーに積むと、そのままウマの居場所を捜すための旅に出た。ガソリンも所持金も尽きて、チャーリーとピートは、東部オレゴンの荒野を彷徨い歩いて、マージ伯母のいると思われるワイオミング州を目指していた。

荒野にて の見どころ

少年チャーリーは母親に家出され父親との二人暮らしだが、その父親も何となく頼りないが、温かい心で接してくれる良さは持っている。チャーリーは馬主デルと知り合う事で仕事につくことが出来たが、それも束の間、父親が不倫相手のサモア人の夫に鉄砲で撃たれ瀕死の重傷を負う羽目になり、その後敗血病で呆気なく死んでしまう。

天涯孤独となったチャーリーは世話をしている競走馬ピートとの”絆”を深めていくが、その馬はレースに勝てず、とうとう殺処分というところまで追い込まれる。チャーリーは一人奈落の底まで落とされることになる。ついに処分されることが決まっているピートに同情し、馬を連れ出し逃走してしまう。

家族や父親を失ってしまった天涯孤独な少年と、レースに全く勝てない悲運の競走馬との境遇が重なり合いお互い助け合おうという意識が芽生えたのではないかと思う。孤独なもの同士お互いに力を合わせて生き抜こうと考えたのではないかと思う。

15歳の少年といえば中学3年か、高校一年生であろうか? 守られるべき家庭も無くなり、いきなり現実社会に放り投げられてしまう。養護施設以外に行き場所がなくなってしまう。最後の望みとして昔父親と3人で暮らした事があるマージ叔母を頼りにワイオミングまでピートと一緒に訪ね歩く放浪を続け、幾多の困難に遭遇する。とうとう馬のピートも車に轢かれて死んでしまう。彼が歩いた荒野は東オレゴンの大草原…

絵に描いた様な、まさに世知辛い世間の過酷な荒波にもまれ続けながらも、命からがら何とか困難を乗り越え、ようやく最後には叔母に巡り逢えて「ハッピーエンド」を迎える。

単純なストーリーではあるが、感情移入し、はらはらしながら、まだあどけなさの残る純粋な心を持つ少年を応援出来る122分である。知らない町のレストランのウェイトレスからアイスクリームを奢られるシーンも何となく微笑ましい。

時にはこういう感じの映画もいいのでは! 

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