>

おすすめ本|『地磁気逆転と「チバ二アン」 地球の磁場は、なぜ逆転するのか』 菅沼悠介著 (ブルーバックス)

スポンサーリンク
おすすめ本の紹介
WikiImagesによるPixabayからの画像
スポンサーリンク

なぜ、「地磁気逆転と『チバ二アン』」を読んだのか?


ComfreakによるPixabayからの画像

約46億年という地球の歴史の中で何度も繰り返されていた地磁気逆転という現象に興味があったのと、最近の話題として地質年代として「チバ二アン」という千葉県由来の名前が付けられたと報じられていました。これは日本科学界においては、歴史的な快挙であるそうです。

本書の著者は「チバ二アン」誕生に向けての研究の取りまとめて申請する論文執筆責任者としてプロジェクトをまとめられた菅沼悠介氏で、初心者でも分かり易く取りまとめられていたので、早速読んでみました。

地磁気の勉強というのは中学か高校でほんの少しだけ、聞いたことはありますが、興味はあったものの、それ以降まったく深入りする機会は無く、ブルーバックスの関係する本を読む機会もありませんでした。

本書を読み進めていくと、初めて聞く内容が大変多く、こんなところまで解明されているのかと科学の驚異的な進歩に驚きます。更に、身近な千葉県市原市に偶々露出している地層にその謎が記録された印がある事にも正直衝撃を受けました。

最近読んだブルーバックスの本の投稿:

不自然な宇宙 宇宙はひとつだけなのか? 須藤靖著 本 レビュー   

進化のからくり 現代のダーウィンたちの物語 千葉聡著     

フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体 藤岡換太郎著 レビュー      

 

地磁気逆転と「チバ二アン」を読んだ感想、トピックス

WikiImagesによるPixabayからの画像

本書の中で興味を引いた部分を何点か取りまとめてみたいと思います。

地震波の分析によって地球内部の構造を突き止める、そのきっかけになったのが、1897年インドで発生した大地震「アッサム地震」を観測した分析結果から、イギリス人地質学者リチャード・オールダムは地球の中心には、鉄でできた地球半径の半分ほどのサイズの中心核(核)と、それを覆う岩石質の層(マントル)が存在するを突き止めました。更にその後の研究で、地球の中心部は個体の鉄やニッケルを主体とする内核と、その外側を覆う液体の鉄やニッケルでできている外核がある事が突きとめられました。

外核が電気を通す液体の金属からなるとすれば、もし地場の中で対流が起こればそこに電流が流れます。(外核では30億アンペアもの電流が発生するそうです)そして発生した電流は新たに地場を作り出します。つまり、外核が地球内部で対流し続ける限り、この磁場生成のプロセスは永遠に続く。これを「ダイナモ作用」という。

また、日本の学者松山基範氏は溶岩に記録された地磁気を測定することで、地球上では何度も地磁気の逆転を繰り返していた事実を突き止めました。一方、フランスの物理学者ルイ・ネールは物質が磁性を持つメカニズムを解明したことで、岩石が残留磁化を持つ仕組みを解明し、溶岩など火山活動に由来する岩石は、過去の地磁気情報を記憶することが出来ると理論的に明らかにしています

さらに、1964年アメリカのアラン・コックスらが、世界各地から集めた岩石の古典時期を測定すると同時に、これらの岩石の年代測定をした結果、世界各地から集められたデータは場所に関わらず、同時期の岩石には同じく正帯磁または逆帯磁の古磁気を持っている事がわかりました。

なお、海底の静かな環境下で堆積物が降り積もる地層は堆積残留磁化を獲得し、海底堆積物の堆積は非常にゆっくりしており、10ⅿ程の堆積物に100万年を超える期間の磁気逆転の歴史が刻まれているというからびっくり仰天します。

地磁気逆転の頻度は、今から1500万年前頃には地磁気逆転は頻発しており、平均的には10万年に一回のペースで地磁気逆転が発生しています。但し、過去80万年間には、一度しか発生していないとの事です。

また、地磁気が逆転する有力な原因としては、「マントル対流説」で地球の体積の8割を占めるマントルは、非常にゆっくりですが対流しており、熱を外核から地球表層に輸送しています。外核からのマントルへの熱補給が活発になると、外核の対流も活発化し、その結果として地球ダイナモが不安定になる可能性が指摘されています。これが地磁気逆転を誘発すると考えられます。しかし、これは直接的な証拠に乏しく推測の域を出ないそうです。

語られる内容に興味は全く尽きません。地磁気逆転の話を聞くだけでも大いに勉強になることばかりですので、是非本書を手に取りもっと詳しい内容を読んで頂ければと思います。

後半部分千葉と最後の最後まで争ったイタリアの2候補地と熾烈な指名争いのエピソードなども詳細に語られており、読み物としても読んで非常に楽しいものとなっています。

世間の客観的な意見はどんなものがあるのか

Alexas_FotosによるPixabayからの画像

以下一般的な感想を引用させて頂きます。

地磁気とは何かということと地磁気逆転について詳しくかつ分かりやすく記述されている。特に火山噴火物などが地磁気情報を記録できる仕組みを初めて理解できた。 地磁気学の分野における日本人研究者の成果や渡り鳥が地磁気情報をを利用していることなど、トピックス的情報も豊富で読んでいて楽しかった…

地磁気逆転とチバニアン、というタイトルから想像される通りの内容が、難しすぎないレベルで読みやすくまとまっている良書。チバニアン決定前夜のあの外野からはよく分からないいざこざも、注意を払った筆致で言及されている…

自分の専門分野が電気関係なので、ある程度「電気磁気学」には精通してるつもりでしたが、この本に書かれてるのは、知らないことだらけ。自分の薄学さを思い知らされました。読んでよかった…

同じ作者のおすすめの本はあるのか?

Free-PhotosによるPixabayからの画像

他の著作についての情報はありませんが、専門分野は、地質学、古地磁気学。海や湖の地層や氷河地形などから過去の地球環境の変動メカニズムを解明することを目指しているそうです。過去6回の南極調査と、南極氷床上(南極昭和基地よりさらに内陸に1000㌔入った”ドームふじ基地”)で150日以上のキャンプ経験も持つとのことです。

最後に

rotation360によるPixabayからの画像

この大地は盤石な岩石の上に成り立っている訳ではなく、地球の中心部は鉄とニッケルの液体である外核があると聞き驚きました。その対流が地磁気を作る原動力となっている。また、本書中の”コラム”でも説明されていますが、もし地磁気が無ければ、大気もしくは水を失ってしまい地球上は、生命は生存できない環境になってしますそうです。オーロラは地磁気を見る事が出来る自然現象です。オーロラはまだ見たことはありませんが、地磁気{=オーロラ)は人類や地球を守っていてくれるものとして見ると、その印象も随分違ってくると思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました