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おすすめ本|『免疫力を強くする新コロナウイルスに打ち勝つ唯一の方法』宮坂昌之著 (ブルーバックス) 

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おすすめ本の紹介
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「免疫力を強くする」をなぜ読んだのか?


 

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新型コロナウイルスの世界的な大流行によって、今、注目されるのが「ワクチン」の早期開発・接種ではないだろうか。いつ頃われわれは「ワクチン」(現在接種が行われています…)あるいは特効薬を手に入れる事が出来るのか…そうした中、これ本も偶々書店の書棚に多数感染症関連の書籍が並ぶ中、「免疫力を強くする」という題名に引かれ思わず購入して最近読んだものです。

ブルーバックスは一般向けの自然科学の書とはいうものの、一部はかなり専門的な分野の記載もあるもあります。しかしながら、全般的にはそれ程専門知識が無くても分かり易い解説で「ワクチン」「免疫力」が、一体何なのか少し理解が深まったと感じました。

本書は昨年(実際は2019年)12月末に出版されています。新型コロナウイルスの世界的な感染その時点では誰もここまでの感染の広がりを予想していないと思います。しかし、本当にタイムリーに出版されたものだと思います。

「免疫力を強くする」の概略・感想


 

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まず、基本的な話で『我々の体に備わっている自然免疫機構が最初に働き、次のステップで、生後に獲得されてくる獲得免疫機構が働くという2段階の防御機能が体にはある』

また、獲得免疫機構は反応は遅いが、免疫記憶を持ち、ウイルスが体に侵入してくるとリンパ球が抗体を作る防御するシステムがあります。一度出会った病原体を覚えていて、その病原体を選択的にやっつける事ができる。ワクチン接種は、この現象を利用したものです。

そして、病原体の力より免疫系の力が強ければ、感染症は起りません。

いわゆる風邪の原因の9割はウイルス感染が原因、残りは細菌、マイコプラズマ、クラジミアなどのウイルス以外が原因。実際、風邪には抗菌薬(抗生物質)は全く利かないそうです。抗菌薬はウイルスではなく細菌に対する薬だです。この指摘には少し驚きでした!

本書内ではウイルスが細胞内に侵入した後の体の免疫反応として、1型インターフェロン、マクロファージ、樹状細胞(説明は本書内に詳細がありますので、興味のある方は是非本書で確認をお願いします)などが働き、自然免疫機能でまず抵抗し、更に獲得免疫機能ではリンパ球が活性化し、キラーリンパ球がウイルス感染細胞を死滅させるプロセスへと続いてきます。実際イラスト図などが展開されており、大変分かり易く説明になっていました。

なお、ウイルスに対するマスクの効果についてはかなり否定的な見解です。

インフルエンザウイルスを例に取れば、ウイルス(0.1マイクロ㍍)とマスクの網目(ウイルスの100倍)の大きさを考えると、予防効果がほとんどない。くしゃみの様に、飛沫の中にウイルスが含まれている場合には、マスクが飛沫を引っ掛けてくれる可能性がある。

マスク、マスクと騒いでいる割にはマスクをする効果については疑問の様です。

細菌を含む微生物が体に侵入すると感染症になりますが、我々の体の特定部分には常に存在している細菌がいるそうです。身体の内側にいる大腸菌、口腔内の連鎖球菌、皮膚の表面に存在するブドウ球菌を常在細菌叢という。

その数ざっと1000兆個重さにして1kg、人間の体の細胞数が約37兆個なのでそれよりはるかに多く、皮膚や腸管では、細菌が住み込める場所は常在細菌により占有されており、有害な細菌が入り込む空きスペースが無く、常在細菌叢は有害な菌を遠ざけるバリアーとしの働きをしている。

細菌と言うと忌むべきものと考えがちです。しかも、1㌔も存在するという事にびっくり仰天しましたが、無くてはならない存在であることも良く分かりました。

ワクチンとは、病原体あるいは細菌毒素のちからを弱めたり、無くしたりした、人工的に出した製剤のこと。身体の免疫の仕組みを呼び起こして、病原体に対する抵抗力を増強させます。

なお、ワクチン製造の時間と費用ですが、通常だと平均10〜15年は掛かり、創業開発されたものが使用可能になるまで最大で数百億円掛かるという事なので、今回の「新コロナウイルス」に対応したワクチンについては、詳しくはわかりませんが、新規開発ではなく、依存のワクチンの『転用』の可能性を探ってているのではないかと思われます。1,2年で新規開発される事はほぼ不可能のようです。

感染症の一例とインフルエンザがあります。これはインフルエンザウイルスが原因で起こる病気です。最近の日本の感染状況では2018年9月〜2019年2月までの6か月間で1000万人を超え、総人口に8%が感染したと考えられています。日本では死者は多くないですが、全世界では毎年65万人程度の死者が出ている。

単純に感染者数のみをインフルエンザと新型コロナウイルスと比較しても余り意味はありませんが、新型コロナウイルスの全世界感染者数は5月24日時点で540万人(死者数34万人)となっています。これは都市封鎖などの徹底的対応があった為、この程度の数字で抑えられたものと思われますが、まだまだ予断を許さない状況であることに変わりはありません。確かに致死率は高いので恐ろしい感染症であることは間違いありません。

 

世間の一般的な意見はどんなものがあるか?


 

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感想につき以下引用させて頂きます。

著者が一番強調したいのは,ワクチンについて『リスクはあるものだという前提で物事を考え、被害を最小限にすること,リスクをゼロにすることではありません』ということ…

既存のワクチンの改善や、新たなワクチンの開発が進んでいることが良く分かった。ワクチンにはリスクもあるがなぜ必要かということや、集団免疫についても分かりやすく書いてある。この時代だからこそ身にしみる内容。新型コロナウイルス感染症のワクチンが待望される。

新型コロナウィルスが世界中で猛威を奮っている昨今、免疫というものを知りたくなり、手に取ってみた。感情的にはならず、極めて科学的な語り口調に好感が持てたし、免疫というものが少し分かった。今まではワクチンのことはあまり気にせず生きてきたが、人類が生きていく上で非常に重要であることが分かりました。そして、免疫力を強くする生き方の結論がなんともありふれたことであることに驚きました。

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著書に『分子生物学・免疫学キーワード辞典』(医学書院、共著)、『標準免疫学』(医学書院、共著)、ブルーバックス『免疫と「病」の科学 万病のもと「慢性炎症」とは何か』などあり。同じくプルーバックスの本は興味があるので、近い内に読んでみたいと思う。

最後に

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『免疫力を高める』の結論は、健康食品、サプリ、運動や温泉療法などではなく 『ワクチン』の摂取が第一という結論でした。また、過剰な副作用の恐怖感は一切無用であるそうです。日本の免疫学の第一人者の意見としては当然の帰結だと思います。

インフルエンザ、子宮頸がん、がん免疫療法などの話題満載ですので、ご興味ある方は是非手に取り一読頂ければと思います。大変に勉強になり、改めて新型コロナウイルスがたいへん怖い感染症であることが再認識できました。

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