>

新刊書紹介|『ダイエットしたら太ります。最新医学データが示す不都合な真実』水田利彦著 光文社新書

スポンサーリンク
おすすめ本の紹介
スポンサーリンク

『ダイエットしたら太ります。最新医学データが示す不都合な真実』をなぜ読んだのか?

題名に驚きました。最新医学データに基づき、ダイエットすれば”太る”事を解明してくれるという事で、早速読んでみました。現在、体重減を目指し80㌔→75㌔を目標に悪戦苦闘している毎日でした。結局、ダイエットしているつもりでしたが、全く体重減の目的を達成できず最近悩んでいました。本書を読んで、間違ったダイエットはしない方がよさそうだということが理解出来ました。また、安易な考えのダイエットの怖さも良く理解出来ました。

手っ取り早い体重減の方法として、①絶食②ほんの少ししか食べない③低炭水化物ダイエットをするなどは健康上かなり問題がある事を説いています。これらは「不健康な体重コントロール」そのものだからです。体重減を目指されている方は是非一読されることをおすすめします。

『ダイエットしたら太ります。最新医学データが示す不都合な真実』の概要・感想

KanenoriによるPixabayからの画像

多くの人がしているダイエットは、ほぼ確実にリバウンドします。特に流行りのファスティングや極端な低糖質などは止めた方が良い事などをデータに基づき解説されています。朝食を摂ることの重要性を強調。そしてライフスタイル・生活習慣を変えることが最重要です。

誤ったダイエットは摂食障害の引き金にもなり、非常な危険なことであること。体重が少な過ぎる、痩せ神話は危険。死亡リスクが低いBMIは21~27くらいで、男女差・年齢・徐脂肪体重も関連しますが、却って、BMI18.5未満の死亡リスクは倍になるとのこと。実はBMI25から27位の小太りが一番長生きすることを統計データが示しています。(適正なBMIは、年齢によって異なり!)

手っ取り早い体重減の方法として、①絶食②ほんの少ししか食べない③低炭水化物ダイエットをするなどは健康上かなり問題がある事を説いています。これらは「不健康な体重コントロール」そのものであり、一時的に目標体重に近づけることは出来ても、永続きせず結局もとに戻ってしまう。

わたしのケースでは朝食抜きなどはやっていませんでしたが、低炭水化物を心掛けごはんを食べる量を少なめにしたりはしていました。しかし、本書では、多くの人が過激なダイエットに走り、その結果、やがては接触障害に陥り、命を落とす現実がある事を指摘していました。間違ったダイエットの継続は精神的、健康上非常に大きな問題があることが分かります。

従来の理解と違っていた事:

1.極端な糖質制限は体に悪い                                  炭水化物の摂取割合別の死亡率が示されているデータ(P.57)によると、もっとも低かったのが、総摂取カロリーの50-55%程度を炭水化物から摂っている人たちでした。更に、炭水化物の摂取率の低い人の方が高い人よりも死亡率は高いという事実が分かります。以前の生半可な知識で、糖質制限により、体内で糖質が極度に不足すると脂肪を分解して「ケトン体」という物質を作り、エネルギー元にするので、体脂肪が減少すると考えていました。これは、大量の脂肪とタンパク質を代謝する為、肝臓と腎臓への負担が非常に大きく掛かるそうです。また、たんぱく質と脂肪の摂取は悪玉コレステロールが溜り易くなり、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞の可能性も上昇すると。

癌に関しては、痩せていると免疫力が低い為、がんの発症に関連していると考えられているそうです。また、体脂肪量が少ないと上記心血管疾患は発症しずらい筈なのに、死亡率は高くなっています。

2.空腹感と満腹感を体中のホルモン(グレリン、インスリン、レプチンなど)が大きな役割を果たしている                                             その仕組みが非常に精緻なバランスの上に成り立っている為、食事がダイエットにより不規則になると、ホルモンの分泌のリズムの調節が崩れ、満腹感・空腹感が調節できない危険性があります。

3.ダイエットによって太り易い体質になる!?                        基礎代謝が低下して、エネルギー消費量が減少する為。これでは本末転倒です。

4.低体重だと認知症になり易く、病気以外の死因に拠る死も多い!?              適正体重(BMI18.5〜25未満)の人の認知症発生率を1とした場合、BMI25〜30未満の場合、男性0.73、女性0.82倍という統計結果が出ています。

5.減らした体重を維持できた人は、ほとんどいない!? 著者のご意見では、一般的にはBMI27程度までは大丈夫。27を超える場合は健康維持の観点から少し体重を落とした方が良いというもの。しかし、ダイエットとは、食べ方を変えることで短期間に体重を落とそうとする行為で、低下した体重を長期間維持できるものではないと断言しています。

本来、体重を数%の減少させるためには、長期的な忍耐強い生活習慣の改善が必要となってきます。 

推奨される生活習慣:

  • 低カロリー・低脂質の食事
  • 一時間程度の運動
  • 体重測定
  • 毎日の朝食
  • 一貫した食事パターンの維持継続

世間の一般的な意見はどんなものがあるのか?

アマゾンカスタマーレビュー:間違ったダイエットは太るだけでなく寿命も縮める

私はダイエットも指導しているトレーナーです。画像は付箋だらけになった本です。
様々な研究データが紹介されていて、安易なダイエットが危険であることが再確認できました

同じ著者のおすすめの本はあるか?

日本摂食障害学会監修・「摂食障害治療ガイドライン」作成委員会編集『摂食障害治療ガイドライン』の代表編者のお一人。

コメント

タイトルとURLをコピーしました