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アメリカ合衆国第16代大統領 エイブラハム・リンカーン ― 史上最も愛され、奴隷解放を推し進めたた大統領 映画『リンカーン』【感想】

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Pete LinforthによるPixabayからの画像
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『リンカーン』のあらすじ・概要

スティーブン・スピルバーグ監督が、名優ダニエル・デイ=ルイスを主演に迎え、アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの人生を描いた伝記ドラマ。

貧しい家に生まれ育ち、ほとんど学校にも通えない少年時代を送ったリンカーンだが、努力と独学で身を立て大統領の座にまでのぼりつめる。しかし権力の座に安住することなく奴隷解放運動を推し進めたリンカーンは、一方でその運動が引き起こた南北戦争で国が2つに割れるという未曾有の危機にも直面していきます。

1865年1月。大統領に再選され2ヶ月が経ちましたが、アメリカでは4年以上に及ぶ南北戦争は泥沼化し未だ続いていました。「すべての人間は自由であるべき」と信じるリンカーンは奴隷を永久に解放するため、上院を通過したものの、奴隷制度を永遠に葬り去る「合衆国憲法修正第13条」を下院議会で批准させるまでは戦いを終わらせないという強い決意がありました。そのためにも、国務長官ウィリアム・スワードらと共に憲法修正に必要な票を獲得するための議会工作に乗り出すことになります。

奴隷制度廃止を訴えた共和党議員タデウス・スティーブンスにトミー・リー・ジョーンズ、リンカーンの妻メアリー・トッドにサリー・フィールド、息子のロバート・トッドにジョセフ・ゴードン=レビット。

脚本はスピルバーグ監督作「ミュンヘン」のトニー・クシュナー。第85回アカデミー賞では同年度最多12部門にノミネートされ、デイ=ルイスは史上初となる3度目の主演男優賞受賞となった。

2012年製作/150分/アメリカ
原題:Lincoln

Mark ThomasによるPixabayからの画像

『リンカーン』の監督とキャストについて

スティーブン・スピルバーグ監督「ジョーズ」(75)、「未知との遭遇」(77)、「レイダース 失われたアーク」(81)、「E.T.」(82)など発表する作品が次々と記録破りの大ヒットとなり、ハリウッド随一のヒットメーカーとなる。

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ダニエル・デイ=ルイス(リンカーン大統領):89年の「マイ・レフトフット」でアカデミー主演男優賞を受賞。07年のポール・トーマス・アンダーソン監督作「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」で2度目のアカデミー主演男優賞、本作「リンカーン」(12)で米第16代大統領エイブラハム・リンカーンを演じ、史上初3度目のアカデミー主演男優賞受賞を果たしている。

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トミー・リー・ジョーンズ(共和党議員タデウス・スティーブンス):舞台で演技を磨き、70年「ある愛の詩」で映画デビュー。以後長い間、端役で数々の映画に出演する。

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サニー・フィールド(メアリ―・トッド・リンカーン):「ノーマ・レイ」(79)と「プレイス・イン・ザ・ハート」(84)で2度アカデミー主演女優賞を受賞。

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ジョセフ・ゴードン=レビット(息子ロバート・トッド):

アダム・ドライバー(通信員):

『リンカーン』のネタバレ感想

ダニエル・デイ=ルイスといえば、映画『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』での圧倒的な名演技でした。本作『リンカーン』もアカデミー賞主演男優賞受賞に相応しい名演技でした。リンカーン大統領はアメリカでもっとも尊敬されている人気の高い大統領です。やはり「奴隷解放」の功績が高く評価されているのだと思います。わたしも小学生の時、『リンカーン』の伝記を読んでたいへん感銘を受けた事を覚えています。また、最も感動した英雄は『ナポレオン』でした…

本編映画は奴隷制度を永遠に葬り去る「合衆国憲法修正第13条」の為、下院での可決に必要とする3分の2以上の賛成票を確保する為の多数派工作を行う短い期間に焦点が当てられます。誰が民主党の代議士なのか、はたまた共和党の代議士か良く分かりづらいのですが、野次と怒号にめげずに各議員が立派な演説をするものだと驚きました。「すべての人間は自由であるべき」という普遍の理念を信じるリンカーンが文字通り生命を掛けて実現しようとする合衆国憲法修正のドラマは、国境を超えて見られるべき映画かもしれません。わたしは「奴隷解放宣言」の後にこれ程のドラマがあった事をこの映画を見て改めて理解しました。

また、国民に愛され、親しみのある大統領の姿が何度も繰り返し描かれていきます。一方、父母の反対を押し切って戦場に向かう長男ロバートや大統領就任後に三男ウィリーを失ったことで距離が生じている妻メアリー・トッドとの関係に苦悩する人間として描かれており、より親近感を生んでいるのかもしれません。

 

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