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映画『フランス組曲』(感想)かつてアウシュビッツに散ったひとりの女流作家の未完の遺稿を完成させた「奇跡の映画」…

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映画『フランス組曲』のあらすじ・概要

1942年にアウシュビッツでその生涯を閉じた女性作家イレーヌ・ネミロフスキーによる未完の小説を、「マリリン 7日間の恋」のミシェル・ウィリアムズ主演で映画化。作者の遺構となった未完の原稿、「どんな時も決して手放してはならない」と言われトランクに入れられ娘たちに託され、60年間封印されていました。

「ある公爵夫人の生涯」のソウル・ディブが監督・脚本を手がけ、フランス人女性とナチスドイツ将校の許されざる愛を軸に、過酷な状況の中で必死に生きる人々の姿を描き出していきます。

1940年、ドイツの占領下となり苦境に陥ったフランスの田舎町が舞台。出征中の夫の帰りを待つリュシルが厳格な義母と暮らしている屋敷に、ドイツ軍中尉ブルーノがやって来ました。音楽を愛するリュシルとブルーノは自然と親しくなり、お互いにかけがえのない存在となっていきます。「ナチス」という言葉を一言も使わず、非常事態を懸命に生き延びようとする「普通の人々」の姿をつぶさに描いている点が出色という。

さらに、ラストには、ドイツ軍に追われる農夫をリュシルがかくまい、パリへの逃亡を手助けするというスリリングな展開もあり、画面からは目が離せない見せ場が続きます。

共演は「君と歩く世界」のマティアス・スーナールツ、「イングリッシュ・ペイシェント」のクリスティン・スコット・トーマス、「スーサイド・スクワッド」のマーゴット・ロビーなど華麗な俳優陣が脇を固めます。

2014年製作/107分/Pイギリス・フランス・ベルギー合作
原題:Suite Francaise

 

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映画『フランス組曲』のスタッフとキャストについて

ソウル・ディブ監督・脚本:イギリス・ロンドン出身。

ミシェル・ウイリアムズ (出征した夫の帰りを待つ/ルシル・アンジェリエ):『ブロークバック・マウンテン』(2005年)でブレイクを果たしています。

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マティアス・スーナールツ(ブルーノ・フォン・フォークドイツ軍の中尉・音楽を愛する元作曲家):ジャック・オーディアール監督の「君と歩く世界」(12)とギョーム・カネ監督「Blood Ties(英題)」(13年仏公開)で女優マリオン・コティヤールと共演しました。

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クリスティン・スコット・トーマス(ルシル・アンジェリエの義理の母、マダム・アンジェリエ):

厳格な義理の母の役が似合い過ぎ。しかし、農夫役のサム・ライリーをリスクを犯し自宅の地下室に匿う人情味を示すところは流石でした。

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マーゴット・ロビー(セリーヌ小作人の娘):2014年に小作農の娘役で映画に出ていたなんて信じられません。しかも、自慢のブロンドを黒髪に染めている。

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映画『フランス組曲』のネタバレ感想

あるDVDを借りてたまたま上映開始前に見た本作『フランス組曲』予告編にマーゴット・ロビーの横顔があったので興味を持ち、借りた作品でした。思わず『名作』と出会い驚きました。

しかしながら、マーゴット・ロビーは小作農の娘役でチョイ役で少し残念でしたが、主演のミシェル・ウイリアムズ、ドイツ軍将校の役のマティアス・スーナールツの名演技が光る素晴らしい作品に感激させられました。それよりも何よりも原作はアウシェビッツで生涯を閉じた女性作家イレーヌ・ネミロフスキーの未完の遺作を60年振りに封印を開いたという奇跡の作品でした。

ドイツ占領下の非情事態の中、フランスの田舎町で普通に生きる人々の生活が描かれています。戦時下ながら、音楽を通じてお互いの心を通わせ合うところなど『禁断の恋』とは言うもののふたりの接近はごく自然に描かれていきます。二人の恋の行方が非常に気になるストーリー展開ですが、ラストは思わぬ緊迫した事態に発展して行く場面が大変な山場となっています。

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