映画『ファクトリー・ウーマン』のあらすじ・概要
1960年代後半、ロンドンの東の外れ「ダゲナム」にある「フォード」の工場で働く女性たちを描きます。素晴らしい技能がありながら、最低賃金に甘んじていた女性が、男女平等な同一賃金を目指した1968年のフォード縫製機械工のストライキの様子をドラマチックに描いています。
実話に基づいています。本作品は重要な法律改革を引き起こした運動のうねりを描出しています。主人公リタ・オグラディ(架空の人物)は、1968年にフォード・ダゲナム工場で起きたフォード縫製機械工のストライキを率いる存在。そこでは女性労働者が性差別に抗議するために歩き出し、同一賃金を要求します。
ある日、本社が「男女同一賃金」を約束するまでストすることにしたリタたち。リタは、演説のため、イギリス国内各地を周り、女性たちの支持を集め、テレビニュースにも取材されることになります。
ストライキは、従来の女性の伝統的な家族の役割に反していると考えられていた為、世界中で大きな注目を集めました。ストライキの成功は、英国の1970年の同一賃金法に影響しています。
2010年製作/113分/イギリス
原題:Made in Dagenham
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映画『ファクトリー・ウーマン』のスタッフとキャストについて
ナイジェル・コール監督:
サリー・ホーキンス(女子工員/リタ・オグラディ):自分の考えを的確に言葉にし、会社の男性や幹部にも堂々と発言できる才能と度胸を持つ/ウッディ・アレン監督作「ブルージャスミン」(13)でアカデミー助演女優賞に初ノミネートされます/理路整然と話す内容は説得力があり、法律をも変えさせる原動力を持っていました。
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ボブ・ホスキンス(労働組合員/アルバート):男性でありながら男女同一賃金ではない事は可笑しいという意見を持つ。当時では稀有の存在として描かれます。その裏には女手一つで子供を育てた母親の苦労を目の当たりにした体験がありました。正義感を盾に女性労働者の立場を碌に考えもしない組合幹部を恫喝します。
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ミランダ・リチャードソン(バーバラ・キャッスル雇用長官):ラストの『劇』の締めっぷりに感激、肝っ玉お母さんのような演技が最高に素晴らしい。
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ロザムンド・パイク(リサ・ホプキンス):学校の横柄な体罰教師にリタと共に反感を持つ。フォード工場長夫人、優秀な大学を卒業しているが、女というだけで馬鹿扱いする夫に対して大きな不安を持つ。リタに同情を示す。
ダニエル・メイズ( エディ・オグラディ):妻リタの全国遊説中は子供の面倒、家事一切を引き受け文句を言わない理想的な夫。家事は不得手。
映画『ファクトリー・ウーマン』のネタバレ感想
社内や政治的な圧力に抗しながら男女平等賃金達成という目的を成し遂げようとする当時の女性先駆者たちの姿が生き生きと描かれています。中でも、サリー・ホーキンス扮する縫製工リタの爽やかな演説には感動させられました。ほとんどが男性で占められていた労働組合総会でもリタらのストライキは多数派の指示を獲得する事になります。
ラストに待ち構える英国雇用庁バーバラ・キャッスル長官との面談の緊迫した場面のやり取りは圧巻でした。フォード英国工場から、長官は英国経済において重大な役割を負っている「フォード」が英国から撤退してもいいのかという「強い政治的な圧力」が掛けられます、一方、弱気な英国首相からはフォードに盾突くなと女工らのストライキを即時停止させるよう指示されます。
しかしながら、女傑であるキャッスル長官は女性らとフォードの妥協点を見つける形で見事にストライキ問題を解決することに成功します。更には2年後には男女平等賃金の法律制定の道を走り抜けていきます。
映画視聴者は確かにリタの活躍をスクリーンに目を凝らし見ていたはずが、よくよく考えるとキャッスル長官の”大岡裁き”で一件落着という見事さに驚きました!背中の「桜吹雪」こそ散らせませんでしたが、一番美味しい部分はしっかりミランダ・リチャードソンに持っていかれた!?ような気がします。
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