ジョン・C・ライリーは一度見ると忘れられない存在感があります。しかし、大変失礼ながら名前を覚えたのは漸く最近の事でした。数多くの大作、名作に出演し”名脇役”ぶりを発揮しています。アカデミー作品賞に輝いたミュージカル映画「シカゴ」(02)では見事な歌唱力を披露し、同助演男優賞にノミネートされたという、意外な歌のセンスもあり驚きました…最近見た出演作品10作をご紹介します。是非今後の映画視聴の参考にしてみてください。
- 『ハードエイト』(1986/ポール・トーマス・アンダーソン監督)
- 『ギルバート・グレイプ』(1993/ ラッセ・ハルストレム監督)
- 『ゴールデン・リバー』(2018/ジャック・オーディアール監督)
- 『ロブスター』(2015/ヨルゴス・ランティモス監督)
- 『おとなのけんか』(2011/ロマン・ポランスキー監督)
- 『アビエイター』(2005/マーティン・スコセッシ監督)
- 『めぐりあう時間たち』(2002/スティーブン・ダルドリー監督)
- 『シカゴ』(2002/ロブ・マーシャル監督)
- 『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年/マーティン・スコセッシ監督)
- 『キングコング:髑髏島の巨神』 (2017/ジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督)
『ハードエイト』(1986/ポール・トーマス・アンダーソン監督)
「マグノリア」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」などの鬼才ポール・トーマス・アンダーソンが、1996年に手がけた長編監督デビュー作。母親を亡くした青年ジョンは葬儀代を稼ぐためにラスベガスで一発勝負に出ますが、失敗して一文無しになってしまいます。途方に暮れているジョンの目の前に初老の賭博師シドニーが現われ、コーヒーを飲みながら彼に救いの手を差し伸べ、カジノで勝つ方法を伝授して行きます。2年があっという間に過ぎ去り。一流のギャンブラーに成長。更に、恋人クレメンタインと知り合う事も出来たのですが、飛んでも無い事件に関わり合う事になります。それもシドニーの機転で上手く切り抜ける事が出来ました。ところが、ジョンの友人ジミーの存在がシドニーとジョンの人生に思わぬ波乱を巻き起こす事になります……。
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『ギルバート・グレイプ』(1993/ ラッセ・ハルストレム監督)
「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」のL・ハルストレム監督による青春映画。舞台は人口千人ほどの田舎町アイオワ州エンドーラ。生まれてから24年、この退屈な町を出たことがない青年ギルバート(ジョニー・デップ)は、重度な知的障害を持つ弟アーニー(レオナルド・ディカプリオ)、過食症を病む250kgの母親、2人の姉妹の面倒を見ている。彼は、大型スーパーの進出ではやらなくなった食料品店に勤めている。彼は店のお客で、中年の夫人ベティ・カーヴァー(メアリー・スティーンバージェン)と不倫を重ねていたが、夫は気づいているのかいないのか!?
こんな毎日を生きるだけで精一杯のギルバートの前に、ある日トレーラー・ハウスで祖母と旅を続ける美少女ベッキー(ジュリエット・ルイス)が現れる。ベッキーの出現によりギルバートの疲弊した心にも少しずつ変化が現れてくるのだが、、、2人の仲は急速に深まる。しかし、家族を捨てて彼女と町を出ていくことはできなかった。故障して出発が遅れていたベッキーのトレーラーも町を去っていく…
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『ゴールデン・リバー』(2018/ジャック・オーディアール監督)
「ディーパンの闘い」「君と歩く世界」「真夜中のピアニスト」などで知られるフランスの名匠ジャック・オーディアール監督が初めて手がけた英語劇で、ジョン・C・ライリー、ホアキン・フェニックス、ジェイク・ギレンホール、リズ・アーメッドという豪華キャストを迎えて描いた西部劇サスペンス。原作はパトリック・デウィットの「シスターズ・ブラザーズ」。
2018年・第75回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞しています。ゴールドラッシュに沸く1851年、オレゴン州最強と呼ばれる兄弟の殺し屋兄イーライと弟チャーリーは、政府からの内密の依頼を受けて、金を河から浮かび上がらせる技術を持った数式を発見したという化学者ウォームを追うことになります。政府との連絡係を務める男とともに化学者を追う兄弟でしたが、ともに黄金に魅せられた男たちは、成り行きから手を組むことになります。しかし、本来は組むはずのなかった4人が行動をともにしたことから、それぞれの思惑が交錯し、疑惑や友情、兄弟愛などさまざまな感情が入り乱れていきます。
映画『ゴールデン・リバー』(2018/ジャック・オーディアール監督)感想‣意外なこと尽くめ、仏人監督が撮る”兄弟愛”に溢れた西部劇!
『ロブスター』(2015/ヨルゴス・ランティモス監督)
2015年・第68回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞。家庭を持ち、子孫を残すことが義務付けられた近未来、独身者は身柄を確保されて豪華なホテルに送り込まれ、そこで45日以内にパートナーを見つけなければ、特殊な手術を施され、自分が希望する動物に変えられて森に放たれてしまうという運命が待ってました。主人公のお兄さんは犬にされていました。
独り身のデビッドも湖畔のとても眺めの良いゴージャスなホテルへと送られますが、そこで狂気の日常を目の当たりにし、とても堪えられなくなり、ほどなくして独り者たちが隠れ住む森へと逃げ出してしまいます。森では独身者のリーダーが決めた「恋愛禁止」のルールがありますが、彼はそれを破り、近眼の女性と恋に落ちてしまいます。
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『おとなのけんか』(2011/ロマン・ポランスキー監督)
トニー賞演劇部門の作品賞やローレンス・オリビエ賞の新作コメディ賞を受賞したヤスミナ・レザの舞台劇「大人はかく戦えり」を、「戦場のピアニスト」「ゴーストライター」のロマン・ポランスキー監督が映画化。舞台はニューヨーク・ブルックリンの一室。子ども同士のケンカを解決するため2組の夫婦が顔をあわせ、話し合いを始めます。最初は理性的に進められていた話し合いも、時間がたつにつれ各々の本性がむきだしになり、やがてそれぞれの夫婦間にも不協和音が生じていきます。登場人物は4人のみで、室内でリアルタイムに進行する会話劇を愉しむ事が出来ます。ジョディ・フォスターとジョン・C・ライリー、ケイト・ウィンスレットとクリストフ・ワルツが2組の夫婦を演じています。
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『アビエイター』(2005/マーティン・スコセッシ監督)
「ギャング・オブ・ニューヨーク」の監督&主演コンビ、マーティン・スコセッシとレオナルド・ディカプリオが、実在の富豪ハワード・ヒューズの半生を映画化。ヒューズの最速の飛行機と映画製作に賭けた情熱を描く。77回アカデミー賞に最多11部門でノミネート、ケイト・ブランシェットの助演女優賞、撮影賞、編集賞、美術賞、衣装賞の5部門を受賞。作品賞、監督賞、レオナルド・ディカプリオの主演男優賞はどれも期待されたが、惜しくも受賞ならず。
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『めぐりあう時間たち』(2002/スティーブン・ダルドリー監督)
1923年のロンドンで精神的な病を患いながら「ダロウェイ夫人」(クラリッサ・ダロウェイがパーティの用意をしているたった一日の物語という、時代は第一次世界大戦が終わり、ヴィクトリア朝時代は退嬰しつつあった頃の物語)を書くバージニア・ウルフ。51年のロサンゼルスで「ダロウェイ夫人」を読む家庭の主婦。01年のニューヨークで詩人の友人のためにパーティを開こうとする女性編集者。3つの3人の女性のドラマが「ダロウェイ夫人」という小説を絡めて交錯していきますが、時代もストーリーの展開する場所も全く異なる為、少々頭の整理を付けるのが難しい映画となっています。
「花は私が買って来るわ、とダロウェイ夫人が言った」。この書き出しから始まる小説『ダロウェイ夫人』を1925年に書いた女性作家ヴァージニア・ウルフは、1941年に夫レナードへ感謝と「私たち二人ほど幸せな二人はいない」と云う言葉を残して、川へ入水自殺するシーンから映画が開始されます。
3つの物語の底流に流れるものは「3人の女性が共有する、生の不安。自分が自分らしく生きることと、社会的役割とのギャップが大きくのしかかってきます。そして死の影。最後に、レズビアニズム」が共通していました。
3人の女性のドラマが小説「ダロウェイ夫人」を絡め交錯する映画『めぐりあう時間たち』自分が自分らしく生きる事と社会的役割とのギャップを描出
『シカゴ』(2002/ロブ・マーシャル監督)
振付師として活躍していたロブ・マーシャルが初メガホンをとり、2003年・第75回アカデミー賞で作品賞を含む6部門に輝いています。1920年代、シカゴ。しがない自動車修理工の妻で、スターを夢見るロキシーは、ナイトクラブの舞台に立つヴェルマを憧れのまなざしで見つめていました。ロキシーは自分をショーに売り込んでくれるという男と不倫しますが、その言葉が真っ赤な嘘だったことを知り、逆上し彼をピストルで殺害してしまいます。
刑務所に送られた彼女は、同じく殺人罪で投獄されたヴェルマと出会います。ヴェルマはマスコミ操作に長けた敏腕弁護士ビリーを雇って自らを被害者として演出し、獄中にいながらも世間の注目を集めていました。ロキシーもそれを真似てビリーを雇い、ヴェルマを上回る人気を獲得しますが……。
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『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年/マーティン・スコセッシ監督)
「タクシー・ドライバー」(76)、「レイジング・ブル」(80)など数々の名作を残してきたマーティン・スコセッシ監督。ニューヨーク出身、ニューヨーク大で映画を学んだ彼は、これまでもニューヨークを舞台にした作品が多い。本作品「ギャング・オブ・ニューヨーク」おすすめ映画|『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年/マーティン・スコセッシ監督)レオナルド・ディカプリオと同監督との初タッグの映画は、その彼が1860年代、ニューヨークの勃興期の混沌としたエネルギッシュな時代を描くもの。
監督のマーティン・スコセッシは「構想に30年を要した」と語っている程、どうしても撮りたかった映画だそうです。撮影はローマ郊外の大規模映画スタジオである「チネチッタ」に当時のニューヨークの町並みを完全再現して行われ、撮影期間270日、制作費約150億円と膨大な費用がつぎ込まれた大作となっています。
おすすめ映画|『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年/マーティン・スコセッシ監督)レオナルド・ディカプリオと同監督との初タッグの映画
『キングコング:髑髏島の巨神』 (2017/ジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督)
キングコングを神話上の謎の島に君臨する巨大な神として描いたアドベンチャー大作。南太平洋に浮かぶ・地図上には無い島に潜入した調査隊が正体不明の多くの巨大生物と遭遇し、壮絶な死闘を繰り広げる。
コンラッド(トム・ヒドルストン)率いる調査遠征隊が、未知の生物を探すべく、神話上の存在とされてきた謎の島に潜入する。しかし、その島は人間が足を踏み入れるべきではない“髑髏島”だった。島には骸骨が散乱しており、さらに岩壁には巨大な手の形をした血の跡を目撃する。そして彼らの前に、この島の住民からは神として畏れられるキングコングが出現、さらに怪獣と呼ぶにふさわしい異形の巨大なモンスターが次々と登場し、猛威を振るう。
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