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おすすめ映画『ブレグジット EU離脱』(2019/トビー・ヘインズ監督)感想‣イギリスがEUから離脱、”国民投票”の信じられないカラクリ!

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『ブレグジット EU離脱』のあらすじ概要

イギリスのEU離脱(=ブレグジット)をめぐる国民投票の舞台裏で繰り広げられていた“離脱派”と“残留派”のせめぎ合いの真相を、大ヒットドラマ「SHERLOCK シャーロック」シリーズのベネディクト・カンバーバッチ主演で描いた実録ドラマ)BBCのテレビ映画。

2016年。政治戦略家のドミニク・カミングスは、EU離脱の是非を問う国民投票(2016年6月23日)を前にイギリス独立党のロビイストからの依頼を受け、離脱派の選挙参謀に就任します。カミングスは、データ分析会社アグリゲートIQのCEOザック・マッシンガムに接触します。彼らデータアナリストの協力で高度なアルゴリズムを使い、有権者ですが投票したことのない「存在しないはずの300万人」を今回の国民投票の得票のターゲットに絞り込む作戦に出ます。そしてソーシャルメディアを通じて離脱を訴えるキャンペーンを開始しますが……。

世論を離脱派に導いた選挙参謀カミングスをカンバーバッチ、残留派のディレクターを「007」シリーズのロリー・キニアが演じる。

2019年製作/94分/イギリス
原題:Brexit

ロッテントマト批評家支持率:80%

『ブレグジット EU離脱』のスタッフとキャストについて

トビー・ヘインズ監督:作品『M.I. High』『ユートピア 〜悪のウイルス〜』

ベネディクト・カンバーバッチ(離脱派選挙参謀ドミニク・カミングス):1971年にイングランド北東部のダラムで生まれた変わり者。とにかく言動がかなり強烈で、そのせいもあって皆にすごく嫌われていました。政治にはもう関わらないと決めていたカミングスでしたが、離脱派の要人に説得され選挙参謀に担ぎ上げられます。いやいや選挙参謀を引き受けたかに見えましたが、いざ正式に引き受けると先頭に立ち、自分の考えに一部の隙も無く猛然と陣頭指揮に立ちあがる事になります。

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ロリー・キニア(残留派のディレクター首相報道官クレイグ・オリヴァー):、「007」シリーズの22作目「慰めの報酬」のビル・タナー役で映画デビューを果たし、続く「スカイフォール」(12)、「スペクター」(15)でも同役を演じています。

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『ブレグジット EU離脱』のネタバレ感想

彼らデータアナリストの協力で高度なアルゴリズムを使い、有権者ですが投票したことのない「存在しないはずの300万人」を今回の国民投票の得票の主要ターゲットに絞り込む作戦

が奏功、見事にEU離脱派が勝利したように思われました。また、キャンペーンのスローガンもかなり”特殊”な文言が並んでいました。イギリスは週3億5000万ポンドものEU分担金を払い続けている、トルコがEUに参加すると7000万人もの移民があたかもイギリスに殺到するかの様な煽情的な言葉が躍っていました。

他国の”国民投票”の裏のからくりの暴露とは言え、決して他人事では済まされない恐ろしい内容に唖然とさせられました。最大の驚きは上記データアナリストのアルゴリズムを駆使した、存在しない筈の300万人の掘り起こし作戦です。インターネットを使用するすべてのユーザーの”行動パターン”はデータとして取り込まれているらしく、有権者でありながら選挙に行かない人も把握されて、彼らにどのような事を訴求すれば、行動を起こす(選挙で投票するか)か、詳細に分析されているということに驚きました。宣伝カーで候補者の名前を連呼するよりも確実に票がよめるというのが恐ろしい。

また、選挙のスローガン(”公約”)も単純明快で有権者にとってより魅力的な内容で分かり易い事も重要だという気がしました。一番困るのが誰に投票してもあまり世の中変わりそうもないという状況では投票率は下がる一方!?

ベネディクトのはまり役だった変人ドミニク・カミングス、飄々と自分の思う通りの考えを貫き通す意固地な人間役はぴったりでした。しかし、後半勝利を手にするものの大はしゃぎすることもなく、そっと一人寂しく事務所を後にする寂しい姿が映し出されていました。多分、離脱が決定した後の世界の姿がふっと頭の中を過ったのではないかと思います…何となれば、彼の頭の中には離脱後のイギリス経済・社会についての考えは全く無かったのではないかと思われます。

映画の中の1シーンで、「離脱して上手く行かなければ、又、元に戻れば良いじゃないか・・・」という発言もありました。たいへんな手間ひま、コスト、障害を乗り越えてEU離脱を決めたにも関わらず、それを又ひっくり返す事が簡単だとは思えないのですが…

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