クリント・イーストウッド監督&出演の新作映画『陪審員2番』Juror #2のニュースもあります。1930年生まれ御年93歳での凄まじい創作意欲には驚かされます。最近見た映画・見直した映画限定でクリント監督関連10作品(★第二弾)をご紹介します。是非参考にしてみてください。
おすすめ映画10作品(★第一弾)
➢【2021年版】クリント・イーストウッド 監督・出演映画おすすめの11作品(最近見直した映画・好み順)
『グラン・トリノ』(2008)
朝鮮戦争の従軍経験を持ち、フォードの自動車工を50年勤めあげたポーランド系米国人ウォルト・コワルスキーは、妻に先立たれ、愛車“グラン・トリノ”や愛犬と孤独に暮らすだけの日々を送っていました。頑固さゆえに二人の息子たちにも嫌われ、限られた友人と悪態をつき合う日々であり、亡き妻の頼った神父をも近づけようとしません。
そんな彼の隣家にモン族の少年タオの一家が越してきます。そんなある日、愛車グラン・トリノが盗まれそうになったことをきっかけに、心を通わせ始めたウォルトとタオでしたが、タオを仲間に引き入れようとする不良グループが2人の関係を脅かし始めます……。
背景としては、ミシガン・デトロイト近郊で育った主人公、おそらく彼と同じように、自動車産業に従事する人がたくさんいたはずです。また、彼のようなポーランド系アメリカ人の比率がかなり高い地域です。だから、慣れ親しんだ街が(アジア系移民・ここでは元々ラオス、タイ、ベトナムの高地に住んでいた農耕民族モン族の移民)様変わりしていく様子に痛々しさを感じている様子が理解できます
映画『グラン・トリノ』(感想)朝鮮戦争従軍経験を持つ気難しい主人公の人生が、近所に引っ越してきたアジア系移民一家との交流で大変化!
『チェンジリング』(2009)
1928年のロサンゼルスを舞台に、誘拐された息子の生還を祈る母親(アンジェリーナ・ジョリー)の闘いを描くクリント・イーストウッド監督によるサスペンスドラマ。息子は無事に警察に保護されるが、本当の子供でないと疑念を抱いた母親が、腐敗した警察に頼らずに自ら息子の行方を捜す行動を起こし、同時に市長や警察機構を告発した事件、際に発生したゴードン・ノースコット事件の被害者家族の実話を元に映画化されら作品。
驚くべき事に、嘘の様な本当の話は”映画に出てくるほとんどの信じられないようなエピソードが、脚色ではなく事実だということだ。別人の少年を突きつけられた母親は、当然のごとく警察に出向いたが、精神錯乱とでっち上げられ、精神病院に強制送還されてしまう”というストーリーは脚色ではなく、全くの真実に基づくと聞き、本当にびっくり仰天!
おすすめ映画『チェンジリング』(2009/クリント・イーストウッド監督)感想‣息子を失った母親にまったく別人の少年を押し付けるという飛んでも警察!
『ミスティック・リバー』(2003)
舞台はボストン近郊のミスティック川沿いにある小さな町イーストバッキンガム。幼なじみの3人の少年は、ひとりが誘拐事件に遭ったことから、次第に離れていくことになる。実は、彼らが11歳のとき、仲間のひとりデイヴが見ず知らずの大人に誘拐され、性的暴力を受けたのを境に疎遠になって行きます。25年後、運命の巡り合わせで、彼らは殺人事件を契機に再会することになる。ひとりは被害者の父、ひとりは容疑者、ひとりは刑事として。
それぞれに交錯する嘘や疑いが、事件を思わぬ方向へと発展させてしまう描写が高く評価され、第76回アカデミー賞で作品賞を始めとした6部門にノミネートされ、ショーン・ペンが主演男優賞、ティム・ロビンスが助演男優賞をそれぞれ獲得しています。
おすすめ映画|『ミスティック・リバー』(2003/クリント・イーストウッド監督)ボストン郊外の街を舞台とする重厚なサスペンス・ドラマ
『運び屋』(2018)
巨匠クリント・イーストウッドが自身の監督作では10年ぶりにスクリーン復帰を果たして主演を務め、87歳の老人がひとりで大量のコカインを運んでいたという実際の報道記事(80歳代でシナロア・カルテルの麻薬の運び屋となった第二次世界大戦の退役軍人であるレオ・シャープの実話)に基づいている実話サスペンス映画。
かつて園芸家として名を馳せたものの、家族をないがしろに仕事一筋で生きてきたアール・ストーン、いまは金もなく、孤独な90歳の老人になっていました。世の中の趨勢について行けず商売に失敗して自宅も差し押さえられて途方に暮れていたとき、車の運転さえすればいいという仕事を持ちかけられたアールは、一回だけの簡単な仕事だと思って依頼を引き受けました。実はその仕事は、メキシコの麻薬カルテルの「運び屋」だった。
おすすめ映画感想|『運び屋』(2018/クリント・イーストウッド監督・主演)前代未聞“90歳の運び屋”を描く
『クライ・マッチョ』(2021)
1975年に発刊された故N・リチャード・ナッシュによる同名の小説を映画化したもの。かつて数々の賞を獲得し、ロデオ界のスターとして一世を風靡したマイク・マイロ(クリント・イーストウッド)でしたが、落馬事故をきっかけに落ちぶれていき、家族も離散。いまは競走馬の種付けで細々とひとり、暮らしていました。
そんなある日、マイクは元の雇い主であり、世話になっているハワードからメキシコにいる彼の十代の息子ラフォをを誘拐して連れてくるよう依頼されます。アルコール依存症で、男遊びに夢中な母に愛想をつかし、闘鶏用のニワトリ“マッチョ”と共に路上で暮していた少年を連れ戻しに、メキシコに向かいます。しかし、下手をすると誘拐になりかねない仕事ですが、ハワードに恩義があるマイクは依頼を引き受けることになります。
親の愛を知らず、母親からも疎まれ路上生活をしている生意気な不良少年のラフォを連れてメキシコからアメリカ国境を目指すことになったマイクでしたが、その旅路には予想外の困難や出会いが待ち受けていました。
公開中・おすすめ新作映画|『クライ・マッチョ』(2021/クリント・イーストウッド監督・製作・主演)キャッチコピーは「感動はここから始まる!?」
『真夜中のサバナ』(1997)
アメリカ南部の都市サバナで実際に起こった事件を描いたジョン・ベレントの同名ベストセラー(1994年に発売されたノンフィクション・ノヴェル。発表当時より爆発的な売れゆきとなりベストセラー連続一位記録を塗り替えた大人気小説、更に本書により全米に留まらず世界中からサバナ観光に訪れる観光客が増え、同書はガイドブック的な役割を果たしているとの情報もあります!?)を、クリント・イーストウッド監督(監督20作目)が映画化したサスペンスドラマ。
ジャーナリストのジョンは、富豪の骨董商ウィリアムズが主催する豪華なクリスマスパーティ、彼は上流階級の人々が集まるパーティのルポを書く為にサバナを訪れていました。ところがパーティの夜に殺人事件が発生し、ウィリアムズが容疑者として逮捕されてしまいます。事件に興味を抱いたジョンは独自に調査を開始、独身の大富豪が被告人となった美青年の殺人事件の裁判を傍聴する様子などが描写され、一癖も二癖もある町の人々に翻弄されながらも真相解明に乗り出していきます。そして、徐々にウィリアムズが町の影の支配者だったことを突き止めていきますが……
おすすめ映画『真夜中のサバナ』(感想)驚きの評決結果にびっくり仰天!
『ヒア アフター』(2010)
巨匠クリント・イーストウッドが、死後の世界にとらわれてしまった3人の人間の苦悩と解放を描いたヒューマン・ドラマ。サンフランシスコに住む元霊能者で肉体労働者のジョージ(マット・デイモン)、東南アジアのリゾート地で休暇中に大津波に遭遇し臨死体験をしたパリ在住のジャーナリスト・マリー(セシル・ドゥ・フランス)、双子の兄を突然の交通事故で亡くしたロンドン在住の小学生マーカスの3人が、互いの問いかけに導かれるようにめぐり会い、生きる喜びを見出していく姿を描きます。
おすすめ映画『ヒア アフター』(2010/クリント・イーストウッド監督)感想‣過去に囚われずに前向きに未来を生きる、という最終的なメッセージが…
『さよなら。いつかわかること』(2007/ジェームズ・C・ストラウス監督)【音楽】
ホームセンターで働くスタンレー(ジョン・キューザック)の妻グレースは、兵士としてイラクに赴任しています。2人の幼い娘たちと上手くコミュニケーションが取れず、ぎこちない生活を送っていたある日、彼の元に妻が戦士したとの報せが届きます。娘たちに事実を言い出すことができず、途方に暮れたスタンレーは、じめは子供たちと外食に出かけようとします。食事を取ろうとレストランの店内へ入る3人。しかし、すぐにレストランを立ち去り、そして車で当てもなく行き当たりばったりの旅を始めますが、最終目的地はフロリダ州の遊園地(魔法の庭?)へ…
おすすめ映画『さよなら。いつかわかること』(2007/ジェームズ・C・ストラウス監督)感想‣イラク戦争で妻を亡くした男が娘たちにその事実を伝えるまでの葛藤を描く
『ジャージー・ボーイズ』(2014)
「ミリオンダラー・ベイビー」「グラン・トリノ」でずっしりと重い人生の手応えを描いてみせた老練の名匠クリント・イーストウッド監督が、1960年代のザ・ビートルズ以前に世界を席巻、人気を誇った伝説の米ポップスグループ「ザ・フォー・シーズンズ」と、そのリードボーカルを務めたフランキー・バリの代表曲として知られる「君の瞳に恋してる(Can’t Take My Eyes Off You)」など名曲誕生の真実を描いた感動ドラマ。なお、彼らは全世界で1億7500万枚ものレコードを売り上げ、今なお人気を誇っています。
2006年トニー賞でミュージカル作品賞を含む4部門を受賞しました、人気ブロードウェイミュージカルを映画化した作品。アメリカ東部ニュージャージー州の貧しい町に生まれた4人の若者たち。犯罪が日常茶飯事の貧しい町、イタリア移民が集まる金もコネもない者が町から逃げ出すには、軍隊に入るかギャングになるしかありませんでした!しかし、彼らには類まれな美声と曲作りの才能がありました。4人は息の合った完璧なハーモニーを武器に、瞬く間にスターダムを駆けあがっていきます。しかし、栄光の影で次々に彼らを襲う、裏切りと挫折、別離、そして家族との軋轢……を乗り越えていく姿が描かれます。ミュージカル版にも主演し、トニー賞でミュージカル男優賞を受賞したジョン・ロイド・ヤングが、映画版でも主演を務めています。
おすすめ映画『ジャージー・ボーイズ』(2014/クリント・イーストウッド監督・製作)感想‣伝説の4人組の栄光と挫折、そして再生を描く感動物語!
『アルカトラズからの脱出』(1979/ドン・シーゲル監督・製作)【主演】
1960年、厳格な所長のもと、水も漏らさぬ警備態勢がとられていたアルカトラズ島の刑務所(今まで脱獄が成功した囚人は皆無)に各州の刑務所で脱獄を繰り返したフランクが送り込まれます。凶悪な囚人を敵に回し、命を狙われながらも、大胆不敵な知能犯フランクは意気投合した仲間とともに脱獄計画を進めていきました! 不可能と謳われたアルカトラズからの脱走事件、その実録小説を映画化した作品。
なお、アルカトラズ島はアメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコ湾内、サンフランシスコ市から2.4kmのところに浮かぶ小さな島。本作品によれば、絶対不可能といわれた同収容所は脱獄事件があってから一年後に封鎖されたという。
独房から抜け穴を掘る道具は所長の机からくすねた爪切り、食堂のスプーンなど。排気口周辺のコンクリートを秘密裏に手作業で掘り進め、屋上へと出る穴を開通し、雨合羽で救命胴衣や浮き輪を作り、(夜間の行動が看守にばれない様にベッドには人間の形をした人形を置いていました)収容所内の仲間同士4人で海を渡るという大胆な計画でした。
おすすめ映画『アルカトラズからの脱出』(1979/ドン・シーゲル監督・製作)感想‣爪切りでコンクリートを穿つ男たちの執念の凄さ…
コメント