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「ポール・トーマス・アンダーソン監督」おすすめ9作品のご紹介(順不同)

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初めて見た監督作品『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』でかなりの衝撃を受けました。そして、次々と他作品も見ましたが、すべての作品が”濃厚”な味わいの作品となっています。それもそのはず、「21世紀最初の巨匠」と呼んでいた映画批評家もいる事に思わず納得!長編映画1-3作目(30才頃まで)で既にアカデミー賞にノミネートされ続け、自身の映画の作風を確立するという早熟振り、4作目「パンチドランクラブ」でカンヌ映画祭の監督賞を、5作目「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」でベルリン映画祭の銀熊賞(監督賞)、6作目「ザ・マスター」でヴェネツィア映画祭の監督賞を受賞…37才で世界三大映画祭の監督賞すべてを制覇した最初の人物となっています。

 

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)

本編『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(原題: There Will Be Blood)は、2007年公開のアメリカの映画。アプトン・シンクレア著「石油!」を原作とし、米国西部ニューメキシコ州を舞台に富と権力を手にしたある石油王の破滅的な運命を描く。第80回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞など最多8部門にノミネートされたが、結果的には同じく8部門にノミネートされていた『ノーカントリー』(07年)が監督賞、作品賞、助演男優賞など最多4部門を受賞し、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』は主演男優賞と撮影賞の2つにとどまりました。

おすすめ映画|『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007/ポール・トーマス・アンダーソン監督)石油ラッシュ時代の悲劇のドラマ

『リコリス・ピザ』(2021)

「マグノリア」でベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞したほか、カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界3大映画祭の全てで監督賞を受賞しているポール・トーマス・アンダーソン監督が、自身の出世作「ブギーナイツ」と同じ1970年代のアメリカ、サンフェルナンド・バレーを舞台に描いた青春物語。主人公となるアラナとゲイリーの恋模様を描きます。サンフェルナンド・バレー出身の3人姉妹バンド「HAIM(ハイム)」のアラナ・ハイムがアラナ役を務め、長編映画に初主演。また、アンダーソン監督がデビュー作の「ハードエイト」から「ブギーナイツ」「マグノリア」「パンチドランク・ラブ」など多くの作品でタッグを組んだ故フィリップ・シーモア・ホフマンの息子クーパー・ホフマンが、ゲイリー役を務めて映画初出演で初主演を飾っている作品です。

『ザ・マスター』(2012)

第2次世界大戦直後のアメリカを舞台に、爆発的に信者を増やしていった新興宗教の教祖とその弟子となった男の関係を描き出します。

第2次世界大戦が終結し、赴任先からアメリカへ戻ってきた帰還兵のフレディ・クエルは、戦地ではまったアルコール依存症から抜け出せず、社会生活に適応できずにいました。そんなある日、フレディは「ザ・コーズ」という宗教団体の指導者で、信者から「マスター」と呼ばれているランカスター・ドッドに出会う。

ドッドは独自のメソッドで人々を悩みから解放し、フレディもドッドのカウンセリングで次第に心の平静を取り戻し、彼に尽き従うようになります。ドッドは行き場のないフレディをかたわらに置き、2人の絆は深まっていきますが、フレディは次第にランカスターの言葉に疑問を抱くようになります……。

映画『ザ・マスター』(感想)第2次世界大戦直後のアメリカを舞台に、爆発的に信者を増やしていった新興宗教の教祖とその弟子の生々しい姿を描出する

『ハードエイト』(1986)

母親を亡くした青年ジョンは葬儀代を稼ぐためにラスベガスで一発勝負に出ますが、失敗して一文無しになってしまいます。途方に暮れているジョンの目の前に初老の賭博師シドニーが現われ、コーヒーを飲みながら彼に救いの手を差し伸べ、カジノで勝つ方法を伝授して行きます。2年があっという間に過ぎ去り。一流のギャンブラーに成長。更に、恋人クレメンタインと知り合う事も出来たのですが、飛んでも無い事件に関わり合う事になります。それもシドニーの機転で上手く切り抜ける事が出来ました。ところが、ジョンの友人ジミーの存在がシドニーとジョンの人生に思わぬ波乱を巻き起こす事になります……。『

おすすめ映画感想『ハードエイト』(1986/ポール・トーマス・アンダーソン監督)‣初老のギャンブラーは、運に見放された青年に興味を持ち、賭け事の勝ち方を伝授!?

『マグノリア』(1999)

死の床で息絶えんとするテレビの大物プロデューサー、彼が昔捨てた息子、プロデューサーの若い妻、看護人、癌を宣告されたテレビのクイズ番組の司会者、彼を憎む娘、彼女に一目惚れする警官、番組でおなじみの天才少年、かつての天才少年……LAに住む全く関係の無い様なさまざまな人間たちの24時間を描く。ロサンゼルス、マグノリア・ストリート周辺に住む、一見何の繋がりもない12人が、最後に不思議な糸に操られて大きな一つの物語に結び付けられていきます!? そして……信じられない様な“スーパーマン”が、やって来ます!

おすすめ映画『マグノリア』(1999/ポール・トーマス・アンダーソン監督)感想‣十二人のダメ男、ダメ女たちの物語を精巧に組みあげる!

『パンチドランク・ラブ』(2002)

カリフォルニア州ロサンゼルスのサンフェルナンド・バレーで暮らすバリーは、トイレの詰まりを取る吸盤棒(ラバーカップ=スッポン)をホテルなどに販売する会社を経営しています。7人もの姉に囲まれて抑圧されながら育った彼は、突然キレたり泣き出したりと情緒不安定な一面を抱えていました。 そんな彼が最近の日課にしているのは、ヘルシー・チョイス社 (Healthy Choice)のプリンを大量に買うことでした。プリンの特典である、プリン代よりも価値が高い航空会社のマイレージをたくさん貯めることに余念がありません。

ある日バリーは姉の同僚であるリナと出会い、ふたりは次第にひかれ合うようになります。その一方で、バリーは何気なくテレフォンセックスのサービスを利用したことから、思わぬトラブルに巻き込まれてしまいます。テレクラの裏の犯罪グループに拉致され、当時の三和銀行のATMから500㌦(一日の引出制限額?)を引出し手渡し、猛スピードで走って逃げる事になんとか成功します。

おすすめ映画『パンチドランク・ラブ』(2002/ポール・トーマス・アンダーソン監督)感想‣シンプルでハッピーで強烈なラブストーリー!

『インヒアレント・ヴァイス』(2014)

1970年代のロサンゼルスを舞台に、ヒッピーの探偵ドックが、元恋人の依頼を受けたことから思わぬ陰謀に巻き込まれていく姿が描れていきます。元恋人のシャスタから、彼女が愛人をしている不動産王の少々複雑な内容の悪だくみを暴いてほしいと依頼された私立探偵のドック。

しかし、ドックが調査を開始すると不動産王もシャスタも姿を消してしまいます。ドックはやがて、巨大な金が動く土地開発に絡んだ、国際麻薬組織の陰謀に巻き込まれていきます。全般的に1970年代のポップカルチャー描写を織り交ぜて描かれ、様々な細かいエピソードの積み上げながら、しっかりとした骨組みのストーリーを構成して行く手法はさすがです。

映画『インヒアレント・ヴァイス』(2014/ポール・トーマス・アンダーソン監督)感想‣おバカで間抜け、なさけないドラッグ中毒の私立探偵を通じ、70年代LAを活写する

『ブギ―ナイツ』(1997)

1977年、ロサンゼルス郊外のサンフェルナンド・バレー。監督自身が幼少期を過ごした場所であり、成人映画やアダルトビデオの製作スタジオが多数存在する。ディスコクラブで皿洗いのアルバイトをしている17歳の高校生エディ・アダムスは、その巨根を見込まれポルノ映画の人気監督ジャック・ホーナーにスカウトされ、ポルノ男優として華々しくデビューすることになります。エディは個性的なスタッフや俳優たちに囲まれながら、“ダーク・ディグラー”の芸名で瞬く間に数多くの主演作品に出演、スターの座に駆け上がり名声を手に、贅沢な生活を楽しみますが、次第にドラッグに溺れるようになっていきます。やがて、監督との確執や転落という憂き目、更にはポルノ映画の衰退、アダルトビデオの台頭という時代の転換期を生きる辛辣なドラマとなっています。

おすすめ映画感想『ブギ―ナイツ』(1997/ポール・トーマス・アンダーソン監督)‣ポルノ業界に集まる、世間をドロップアウトした男と女の群像劇!

『ファントム・スレッド』(2017)

「マイ・レフトフット」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」「リンカーン」で3度のアカデミー主演男優賞を受賞している名優デイ=ルイスが主人公レイノルズ・ウッドコックを演じ、今作をもって俳優業から引退することを表明しています。

1950年代のロンドンで活躍するオートクチュールの仕立て屋レイノルズ・ウッドコックは、英国ファッション界の中心的存在として社交界から脚光を浴びていました。別荘のある田舎町のウェイトレスのアルマとの運命的な出会いを果たしたレイノルズは、アルマをミューズとしてファッションの世界へと迎え入れます。甘いロマンスを期待したアルマの思いとは裏腹に、彼が執着するのは彼女の完璧な身体だけでした。作り続けられるドレスによって、アルマは美しさと輝きをまとっていきますが、“道具”として扱われることに徐々に不満を募らせていきます。そして、アルマの存在がレイノルズの整然とした完璧な日常生活に変化をもたらしていくことになります…

おすすめ映画『ファントム・スレッド』(2017/ポール・トーマス・アンダーソン監督)感想‣天才仕立屋が見出したミューズ…しかし、愛の主導権争いが予期せぬ禁断の境地へ…

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