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おすすめ映画|『ジョーカー』(2019/トッド・フィリップス監督) 「バットマン」悪役として広く知られるジョーカーの誕生秘話。ホアキン・フェニックス主演映画 

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ジョーカー の作品情報

noelschによるPixabayからの画像
  • 2019年 アメリカ映画、上映時間122分
  • 監督・脚本:トッド・フィリップス(2009年にはブラッドリー・クーパー主演作『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』を監督・製作、全米のみで興行収入2億7千万ドルを超えるヒット作となり、第67回ゴールデングローブ賞作品賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞)
  • 出演:ホアキン・フェニックス(アーサー役、『スペースキャンプ』へ出演から子役としての経歴を積み始める。26歳の時に出演した『グラディエーター』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、若手の個性派俳優として注目を受ける。その後も『サイン』『ホテル・ルワンダ』などの話題作に出演を続け、2006年に『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』でゴールデングローブ賞主演男優賞とグラミー賞を受賞、俳優としての名声を確立)、ロバート・デ・ニーロ(マレー)、ザジー・ビーツ他 ロバート・デ・ニーロの最近の主演作品 :アイリッシュマン 映画レビュー
  • 本編は第76回ベネチア国際映画祭(2019) 金獅子賞受賞

本作品がテーマが社会の底辺の生活する人々の苦しみの中から生まれたとするならば、同じような映画作品はかなり多い。

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ジョーカー のあらすじ(ネタバレ)

Bohdan ChreptakによるPixabayからの画像

 大都会で大道芸人として生きるアーサーは暗い社会の中で人々に笑いを届けようと「ピエロ」として街頭や施設で活動していた。

 しかし、ゴッサム(ニューヨークの事)は疲弊しており、市の衛生局がストライキへと突入したことで街は荒れ果て、大量のゴミで満ち溢れていた。

 毎日のように街ではパトカーが行き来し、貧困のどん底で暮らす者たちは暴力の狂気へと身を落としていった。

 アーサーはそんなゴッサムで何とか「ピエロ」として活動を湯づけていこうとするが、ギャングの子供たちからの暴力の憂き目にあうなど、厳しい現実を突きつけられる。

 さらに護身用にと同僚から手渡された拳銃を小児病院の子供たちの前で落とすという失態を起こしてしまい、仕事を解雇される。

 それに追い打ちをかけるように、彼の心の支えになっていた市のカウンセリングや薬品の処方も経費削減の煽りを受けて終わってしまう。

 そんな絶望に打ちひしがれながら自宅へと向かう電車に乗り込んだアーサーは、3人のエリートビジネスマンたちに絡まれ、突発的に暴力を振るわれる。

その時、彼の中で何かが崩壊し、咄嗟に懐に忍ばせていた拳銃で3人を撃ち殺してしまう。

 さらに精神を病んだ母ペニーは、市長選に立候補した大富豪トーマス・ウェインが、アーサーの父であるという妄言か現実か分からないことを口にするようになる。

現実と虚構の渦の中で確かに、アーサの中で何かが大きく変わろうとしていた・・・

 映画の終盤、自らの出生に秘められた真実を悟ったアーサーは、顔を白く塗り、髪を緑色に染め、スーツを着て、敬愛するコメディアンであるマレーが司会を務めるトーク番組に出演する。

 アーサーがコメディアンとしてステージに立ち、笑いが収まらなくなってしまった時の様子が番組で放送され、視聴者の反響を得ていた。しかし番組の中で、アーサーはあくまでもバカにされていたのだ…

 夢にまで見たマレーとの共演である。アーサーは自宅で番組の録画を見ながら、本番のリハーサルをしていた。マレーにジョークを求められたら、「ノック、ノック」と言ってポケットから拳銃を出し、もともとは自分の頭を吹き飛ばす計画だった。

 しかし出演当日、アーサーはまったく違う行動に出る。ジョークどころか、3人の証券マンを殺したのが自分であることを自ら暴露し、さらに信じられない事に怒りの矛先をマレーに向けた。「俺みたいな奴をバカにしたらどうなるか教えてやる」。アーサーはためらうこともなく、マレーの顔を撃ち、立ち上がって身体を撃つ。悲鳴が上がり、アーサーはカメラに向かってまっすぐ突き進む。画面いっぱいにアーサーの顔が映し出され、途端にテレビ局は映像を切り替える。

ジョーカー の見どころ

Caro SodarによるPixabayからの画像

 まさにショッキングな狂気の映画と言える。一人の人間がその育ちや生活している社会環境の影響により、良心を失い悪の権化<悪のカリスマ・ジョーカー>にまで変貌する過程が描写されている。

 恐ろしいのは先進国や発展途上国では、社会問題として貧富の差の拡大が顕著になりつつあり、映画の中で描かれている様に福祉予算を削減されるなど弱者への風当たりが強まるなど、底辺の人々は社会不満を募らせつつある事だ。  

 やがて、スクリーンの中の出来事が、現実化して街中にアーサーの様な狂気の「ピエロ」が溢れ、権力者や富裕層への反感を実力行使に出ることも有り得るのではないかという恐怖感と一方では”期待”が錯綜している。

 これほどまでに赤裸々に現代の問題をえぐり(映画の中ではかなり過去の物語として語られているが、、、)これから起こり得る問題を浮き彫りにしてしまっていいのだろうか?(社会にはこういう問題がありますが、解決策としてはこういう一つの方法もありますよ〜と大衆に教えている様なもの…)

 アメリカは凄い国だと思う。映画という娯楽の手段を使い、映画の大成功で興業収益をがっぽりと稼ぐと同時に社会問題への警鐘を大きく打ち鳴らす事の両立をいとも簡単に成し遂げている…

全編を覆う重厚なテーマ音楽がズシリと耳の奥底に響き渡る、映像も素晴らしい!

是非迫力満点の大画面スクリーンで楽しみたい。 

おすすめ度★★★★★5点満点!

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