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おすすめ映画|『オフィシャル・シークレット』(2019/ギャビン・フッド監督)キーラ・ライトレイ主演でイラク戦争にまつわる国民を裏切る政府の不正を告発(実話)

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『オフィシャル・シークレット』のあらすじと概要

Mike CookによるPixabayからの画像

イラク戦争開戦前夜に英米政府を揺るがせた告発事件を、キーラ・ナイトレイ主演で映画化したポリティカルサスペンス。2003年、イギリスの諜報機関GCHQで働くキャサリン・ガン(キーラ・ナイトレイ)は、アメリカの諜報機関NSAから驚きのメールを受け取る。イラクを攻撃するための違法な工作活動(米NSAからのイラク侵攻に関する国連決議を有利にするために、国連非常任理事国の代表を盗聴せよ」という、アメリカがイギリスに違法な活動を要求する内容に強い憤りを感じた彼女は、ついにマスコミへのリークを決意した。2週間後、オブザーバー紙の記者マーティン・ブライト(マット・スミス)により、メールの内容が記事化される。キャサリンは初め躊躇していたが、ついに自分がリークしたことを名乗り出るが、告発も空しくイラク侵攻は開始されてしまう。彼女は起訴されるが、キャサリンを救うため、人権派弁護士ベン・エマーソン(レイフ・ファインズ)らが立ち上がる。

“実話ベースの社会派作品”は、数多く存在します。日本でもつい最近の映画で、官邸とメディアの驚くべき関係を暴いた衝撃作「新聞記者」が上映され話題を生みました。同作はレイプ事件の被害者会見、公文書改ざんなど、劇中の出来事と現実の事件との驚異の重なりが見る者を驚愕させ、第43回日本アカデミー賞では見事最優秀作品賞を受賞しています。

そして「スポットライト 世紀のスクープ」「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」では、巨大権力やタブーに挑んだ人々の物語を通して、決して表に出ることのなかった“闇”があぶり出されてきた。本作も、それらの作品群に連なる“真実の物語”となっています。

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『オフィシャル・シークレット』のスタッフとキャストについて

Welcome to all and thank you for your visit ! ツによるPixabayからの画像

ギャビン・フッド監督:南アフリカ出身の映画監督。初監督映画「A Reasonable Man(原題)」(99)で国際的な注目を集め、続く脚本・監督作「ツォツィ」(05)でアフリカ映画として初のアカデミー外国語映画賞を受賞

キーラ・ナイトレイ(主人公キャサリン):03年には「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」のヒロイン役エリザベスに大抜てきされる。その後、ジョー・ライト監督がジェーン・オースティンの名作小説を映画化した「プライドと偏見」(05)で主人公エリザベス・ベネットを演じ、アカデミー主演女優賞とゴールデングローブ賞の最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル)にノミネートされている。更に、ライト監督の「つぐない」(07)と「アンナ・カレーニナ」(12)等に出演しており、イギリスを代表する女優のひとり。本作品では社会派映画への出演とあり、全般的に顔はきりりと引き締まり凄みを感じさせる場面が圧倒的に多かったのが印象的。

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マット・スミス(記者ブライト役):10年、英BBCの長寿SFドラマ「ドクター・フー」の11代目ドクター・フーに史上最年少の26歳で抜てきされ、英国内でブレイクする。「愛を複製する女」(10)で本格的に映画デビュー

レイフ・ファインズ(弁護士エマーソン役):イギリスを代表する俳優のひとり。多数の大作映画に出演している。シンドラーのリスト(93)でアカデミー助演男優賞、イングリッシュ・ペイシェント」(96)で同主演男優賞にノミネートされた。大人気シリーズ第4作ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(05)からヴォルデモート卿を演じる。そのほか、「ナイロビの蜂」(05)や「愛を読むひと」「ハート・ロッカー」(ともに08)、「007 スカイフォール」(12)等々

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『オフィシャル・シークレット』のネタバレ感想

David MarkによるPixabayからの画像

イラク戦争による犠牲者の数は50万〜65万人に達し、その7割以上が民間人だったという調査結果があります。アメリカとイギリスにより、濡れ衣を着せられたフセインを打倒すべく攻撃を開始しましたが、これは全く違法な戦争であった事がこの映画を見れば分かります。隠し持っている筈の大量破壊兵器・化学兵器も何も出てきませんでした。安保理の決議なしで、攻撃を開始しています。決して大昔の出来事ではなく、ほんの10数年前の生生しい出来事です。ネタバレになりますが、告発者のキャサリンは最後に無罪になっています。政府が彼女を起訴することを取り下げています。キャサリンを守る唯一の方法――それは、英米政府を相手に戦争の不法性を問うことでした。

彼女はイギリスの機関GCHQ(政府通信本部)に勤務しており、そこで得た国家機密を外部にリークすれば、当然機密漏えい(或は国家反逆罪)で逮捕される事は分かっていたにもかかわらず、アメリカから要求されたイラクを攻撃するための違法な工作活動に関わるメールを読んでしまったことから、正義感に燃え、情報をリークすることでイラク戦争の開戦を阻止しようと決意します。同僚に少しだけ、メールの件を相談しますが、淡々と自分に与えられた業務を遂行しさえすればよい、他の事は考えてもしょうがないというような反応を得ます。これが、一般人の処世術かもしれません。この同僚を批判出来る人はいないでしょう。しかし、キャサリンは勇敢な行動を選びました。

一方、情報を受け取ったオブザーバー紙は慎重にこのスクープ記事の取り扱いを検討しますが、漸く2週間後新聞紙面に掲載されます。この行動も称賛されるべき行動ではないでしょうか? イラクを攻撃するための違法な工作活動に関しては大手新聞社の多くが政府の御用新聞社となって、政府から垂れ流される記事だけを報道しているところが多いようです。この部分では、イギリスではもっとメディアとしてのしっかりした機能があるものと想像していましたが、そうでもないらしく、機能不全に陥るメディアの惨状は日英状況は同じであることが分かりました。

政府もうそをつくというのは世界共通であるという事が分かりました。その嘘を知った時、どれだけの人が勇気をもって、声を上げる事が出来るかを我々に訴えかけている映画の様な気がします。

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最後に

キャサリンの勇気と正義感溢れる行動を称賛しますが、一方、これほどの機密情報が簡単に外部に流出することができたこと自体驚きを隠せないと頃もあります。10数年までも、諜報活動を行う本部の内部でフロッピーディスクからコピーをして、家に持ち帰った事になっています。これではどんな情報でも持ちだそうと思えば誰でも簡単に持ち出せるのではないでしょうかと少し疑問を感じたところです。

大変歴史のある調査機関で、そこで働く職員の”忠誠心”は鉄壁と考えられていたのかもしれませんが、、、

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