『ミークス・カットオフ』のあらすじ概要
「ウェンディ&ルーシー」の監督ケリー・ライカートと主演ミシェル・ウィリアムズが再タッグを組み、西部開拓時代のアメリカを舞台に描いたドラマ。1845年、オレゴン州。移住の旅に出たテスロー夫妻ら3家族は、道を熟知しており近道を知っているという男スティーブン・ミークをガイドに雇います。旅は2週間で終わるはずでしたが、5週間が経過しても目的地にたどり着かず、道程は過酷さを増すばかりです。3家族の男たちは、ミークを疑い始めていました。水と食料が不足する一方、お互いへの不信感による緊張が高まります。妻たちは、意思決定に参加できず、夫らがミークをいつまでフォローし続けるべきかについて話し合っているのをじっと見守っています。そんな中、一行の前にひとりの原住民が姿を現します。原住民の存在を知ることで彼らの襲撃を恐れる事になります…
なお、史実では、ステファン・ミークという男のガイドで、約200のワゴンで約1000人の移民団が、砂漠を突っ切る“近道”をしようとしたが、本作通り立ち往生したという。やはり、ミークが実際は道をよく知らないことがバレて、移民団はミークを遂に見放し、最終的には大被害なく移動ができたという。
2010年製作/103分/アメリカ
原題:Meek’s Cutoff
ロッテントマト批評家支持率:86% 高評価!
『ミークス・カットオフ』のスタッフとキャストについて
ケリー・ライカート監督:1964年、フロリダ州マイアミで生まれたライカート監督。海外では“現代アメリカ映画の最重要作家”と評され、「ノマドランド」のクロエ・ジャオ監督の先駆者としても脚光を浴びる存在となっています。
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ミシェル・ウィリアムズ( エミリー・テザロウ):頼りになりそうもない男たちに従いついて行くだけの女性から、自分でどうにかしなければならないという思いを強めていく。ミークにより殺され掛けた先住民の男を助け、水の在り処を教えて貰おうとするが中々上手く行かない。
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ブルース・グリーンウッド(スティーヴン・ミーク):結局道を良く知りもしないで砂漠を突っ切る危険極まりない近道のガイド役を買って出るという信じ難い詐欺師。先住民とやり取りした経験があるらしく、色々と良からぬ出来事を吹聴し、移民団の男女を不安のどん底へ落としていく。
シャーリー・ヘンダーソン(グローリー・ホワイト):
トミー・ネルソン(ジミー・ホワイト):
ニール・ハフ(ウィリアム・ホワイト):
ポール・ダノ(トーマス・ゲイトリー):移民団の若い夫婦の夫。
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『ミークス・カットオフ』のネタバレ感想・見どころ
【ネタバレ有り】
史実では200台のワゴン、1000人の移住団の人々が同じように砂漠の近道で立ち往生した様です。そして、ミークは道を知らなかったというのが事実というから唖然とさせられました。米オレゴン州の砂漠が実際どれほど恐ろしい土地なのか実感できませんが、本作品を見る限り荒涼として土漠が5週間歩いてもさらに続くとんでもない土地である事は確かです。
途中である女性は何度もコロラド川があるところまで来た道を帰ろうと何度も誘い掛けますが、もはや帰り道すら後を辿る事が出来るのかどうか分からない様な気がします。磁石(コンパス)と地図さえあれば方角の見当をつける事は出来そうです。しかし、山あり谷あり真っすぐな平坦な道は無いのかもしれません。
底をつく食料と水、先住民の襲撃があるのではないかという不安、とてつもないピンチに陥ります。せめて水場さえ見つかればひと息つけそうです。そして、先はまだまだかなり長そうでした。
また、最も脅威である筈の先住民に道案内(水場を教えて貰おうとする)を頼まざるを得ない究極の”選択”というのも、とんでもない状況であることが分かります。彼は始終原住民の事がを大きな声でしゃべっていますが、移民団の誰も何を言っているのか理解出来ていないと思います。
ただ唯一エミリーのみ、先住民の男と言葉は通じないながらも、靴のほころびを修繕してやったりと誠心誠意心を通わせようとする行動が、移住団一行の困難打開に力となったのではないかという僅かな望みを繋ぐことが出来ました…
本作はポール・ダノ出演映画ということで選んで見てみました。しかしながら、正直言ってかなり理解の難しい、ご紹介しずらい作品を選んでしまいました。永遠とも思われる昼と夜の不毛な繰り返しで、目的地が見えて来る様子が有りません。会話も少なく、ひたすら馬車(なんと幌牛車)を引いて、牛やロバと共に砂漠を歩く映画でした。
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