>

映画『親愛なる日記』(1993/ナンニ・モレッティ監督)感想‣<大好きな映画>が撮影から30年ぶりにレストア版として映画館に帰って来た!

スポンサーリンク
絶対見逃せない映画 おすすめ
GianniによるPixabayからの画像
スポンサーリンク

映画『親愛なる日記』のあらすじ・概要

「息子の部屋」などで知られるイタリアの巨匠ナンニ・モレッティの代表作のひとつで、1994年・第47回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したシネマエッセイ。これまでの監督作で自身の分身ともいえる主人公“ミケーレ”を演じてきたモレッティ監督が初めて自分自身として登場し、ローマとシチリア周辺の島々を巡る姿をユーモアたっぷりに描きます。

夏のバカンスシーズンで閑散としたローマ市内や郊外をベスパで巡る「ベスパに乗って」自由気ままにローマの街並を疾走します。古い住宅地、新興住宅地などなど。そして至る所で映画館に入り、映画を観賞しています。また、通りすがりに、なんと憧れのジェニファー・ビールス(本人)と夫のアレクサンダー・ロックウェル(本人)に遭遇します。ナンニは彼女主演の「フラッシュダンス」は、彼の人生が変わったほどの大ファンですが、まったく相手にされません。

脚本を執筆できる場所を求めて友人と共に世界遺産ストロンボリ島のあるエオリエ諸島を船で巡る「島めぐり」、一番最初に旧友ジェラルド(レナート・カルペンティエリ)が『ユリシーズ』の研究をしているリーパリ島を訪ねます。島は物凄い交通量とけたたましい喧噪の為、執筆は全く手に着きません。

原因不明の激しいかゆみに悩むモレッティ監督が様々な医者の元を訪れる「医者めぐり」、死の宣告をされた経験が、おもしろおかしく語られています、の3章で構成されています。「ライフ・イズ・ビューティフル」のニコラ・ピオバーニが音楽を手がけた。

 

1993年製作/101分/G/イタリア・フランス合作
原題:Caro Diario

mchachevskaによるPixabayからの画像

映画『親愛なる日記』のスタッフとキャストについて

ナンニ・モレッティ監督・脚本・主演:40歳にして世界三大映画祭すべてで賞を受賞した、イタリアを代表する監督です。学生時代は映画と水球に熱中し、後に水球を舞台にした映画『赤いシュート』を製作するきっかけとなる。

ジェニファー・ビールス:83年に全米公開されたフラッシュダンスは、ドン・シンプソンとジェリー・ブラッカイマーの初タッグ作。4000人以上が参加したオーディションを勝ち抜いたジェニファー・ビールスを、一躍スターダムに押し上げました。本作品は当初は評論家筋から芳しい評価を得られなかったが、83年の全米興行で3位となる大ヒットとなり、世界累計興収は1億ドルを突破しています。同作4Kデジタルリマスター版は、今年4月に日本公開されています。

korpiriによるPixabayからの画像

映画『親愛なる日記』のネタバレ感想

大きく分けて3部構成とした自伝的な映画で、主人公を監督自身が務めています。まったくの予備知識なく、本日飛び込みで見てみましたが、期待以上に面白かった作品です。

1.「ベスパに乗って」ベスパが疾走する街並みは余りローマを舞台とする映画ではほとんど見る事が出来ない、ちょっと古い住宅街や余り人気のない「新興住宅地」などが選ばれていました。海岸通りも走りますが、ごみが散乱している様な「絵になるスポット」とは少し異なる場所が選ばれていました。多分ナンニ監督自身、持て余している時間があれば、ごく自然に映画で撮影されてるルートを実際に走り回っている日常の”ツーリングコース”なのかも知れません。観光ガイドに絶対に出てこないローマ!また、映画監督、脚本家でもあることから、頻繁に映画を見ている様子も描かれています。

2.「島めぐり」シチリア周辺の世界遺産ストロンボリ島のあるエオリエ諸島を船で巡る旅の様子が描かれます。島ごとに、特色があり非常に興味を引かれました。この編では古くからの友人ジェラルドが同行しています。彼は30年間もテレビを見ていないと豪語していました。ところが、移動中の船内でたまたま見たTV連続ドラマの虜になってしまう下りがあります。次回以降の展開が気になって仕方が無くなります。ところが、周遊する島には電気が無く、TVが見られない島もあった事などが面白可笑しく語られていきます。

3.「医者めぐり」夜半睡眠中に体中が痒くなるという病気に罹ります。医者に診てもらっても一向に快復しないため、次々と医者を変えますが、そのたびに処方される薬が異なるという事態に悩まされ、自宅は処方された薬の在庫が山となっています。(万国共通の問題の様です)おまけに内蔵のCTスキャンで末期がんが発見され、慌てふためく騒ぎになります。しかし、それは直後に誤診であったことが分かります。

ナンニ監督の「日記」を元に日常の仔細な出来事をコメディー風に映像化された作品です。大らかで、楽天的な人間性も極まる一方、とことん尖がってこだわりを見せる非常に正直な部分もあり、親しみを持つ事ができました。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました