
おすすめ映画『告発のとき』(2007/ポール・ハギス監督)感想‣軍隊から脱走した息子の消息を探す父親の実話を基に、アメリカ社会の深い闇を描く
「クラッシュ」(05)のポール・ハギス監督・脚本によるサスペンスドラマ。イラクの最前線からアメリカに帰還したマイクは、その帰国直後に軍隊から脱走し、行方をくらまします。マイクの父親の退役軍人ハンク(トミー・リー・ジョーンズ)は、地元警察の女性捜査官(シャーリーズ・セロン)とともに息子の捜索を始めますが、真実を追い求めるにつれて、父親の知らない息子の素顔が明らかになっていきます……。本作品はPTSD(心的外傷後ストレス障害)を題材に、米国内で実際に起きた事件をもとにし、イラク戦争の現実を描いた作品となっています。なお、アカデミー賞受賞者が3人も揃う作品は少なく、その意味でもたいへん興味深い作品となっています。