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映画『2人のローマ教皇』(2019/フェルナンド・メイレレス監督)感想‣カトリック教会の舞台裏に迫る対話劇、教会や教皇に忖度しない姿勢が斬新!

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『2人のローマ教皇』のあらすじと概要

janeb13によるPixabayからの画像

「シティ・オブ・ゴッド」「ナイロビの蜂」のフェルナンド・メイレレス監督がメガホンをとり、2012年に当時のローマ教皇だったベネディクト16世と、翌年に教皇の座を受け継ぐことになるホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿の間で行われた対話を描いたNetflixオリジナル映画。

2012年、カトリック教会の方針に不満を抱くベルゴリオ枢機卿は、ベネディクト教皇に辞任を申し入れる。しかし、スキャンダルに直面して信頼を失っていたベネディクト教皇はそれを受け入れず、ベルゴリオをローマに呼び寄せる。ベルゴリオと教皇ベネディクトは、教皇の別荘であるカステルガンドルフォ宮殿で会う。2人は神と教会の役割について議論する。考えのまったく異なる2人だったが、世界に10億人以上の信徒を擁するカトリック教会の未来のため、対話によって理解を深めていく。

ベネディクト16世役にアンソニー・ホプキンス、ベルゴリオ役に「天才作家の妻 40年目の真実」のジョナサン・プライス。脚本は「博士と彼女のセオリー」「ボヘミアン・ラプソディ」のアンソニー・マッカーテン。

『2人のローマ教皇』のスタッフとキャストについて

WebsiによるPixabayからの画像

フェルナンド・メイレレス監督:1995年生まれ、ブラシㇽ、サンパウロ出身。2002年、リオデジャネイロのスラムの子どもたちの抗争を描いた「シティ・オブ・ゴッド」で、アカデミー賞で監督賞ほか4部門にノミネートされる高い評価を獲得。05年の「ナイロビの蜂」もアカデミー賞で4部門の候補に挙がり、レイチェル・ワイズに助演女優賞をもたらした。本作品「2人のローマ教皇」もアカデミー賞で3部門ノミネートを果たす。教会や教皇に忖度しない姿勢が妙味になり見応えのある映画に仕上がっている。

 

アンソニー・マッカーテン(脚本):「博士と彼女のセオリー」と「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」で、理論物理学や政治の世界の話をわかりやすくドラマ化してきた実績があります。

 

ベネディクトとフランシスコが各自の著書やインタビューで語った言葉を抜き出して再構築し、教義や信仰や組織運営についての論議を“創造”して、「人はどう生きるべきか」「自らの罪とどう向き合い、またいかに赦されるのか」といった普遍的なテーマを浮かび上がらせる。(YAHOO映画より)

映画感想|『博士と彼女のセオリー』(2014/ジェームズ・マーシュ監督)“車いすの天才物理学者”の半生を描く

 

アンソニー・ホプキンス(ベネディクト教皇):映画デビューは68年の「冬のライオン」で、74年にアメリカ進出、以降「遠すぎた橋」(76)、「エレファント・マン」(80)、「チャリング・クロス街84番地」(86)と英米双方で活躍。映画史に残る悪役として今でも人気を誇るハンニバル・レクターを演じた「羊たちの沈黙」(91)でアカデミー主演男優賞を受賞。

 

本作品中、ベネディクト教皇として、神父による児童への性的虐待などの問題にまったく善処しなかったことを告白しています。

 

映画感想|『日の名残り』(1993/ジェームズ・アイボリー監督)アンソニー・ホプキンス主演

 

映画感想|『ファーザー』(2020/フロリアン・ゼレール監督)認知症の症状だけでなくそれが周りの人々に与える影響を芸術的に描こうとした作品!

 

感想|『ジョー・ブラックをよろしく』(1998/マーティン・ブレス監督)1934年「明日なき抱擁」のリメイク作。

 

ジョナサン・プライス(ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿):1947年生まれ、イギリス/フリントシャー州出身。舞台俳優としてキャリアをスタートさせ、77年の米ブロードウェイデビュー作「Comedians(原題)」ではトニー賞(演劇部門)で男優賞を受賞。89年に英ウェストエンドで初演されたミュージカル「ミス・サイゴン」では売春宿を経営するエンジニア役を演じ、91年のブロードウェイ公演で再びトニー賞を受賞している。

 

本作では、史上初めて南北アメリカから新教皇に選出されたベルゴリオ枢機卿役。

ホルヘとしての回想では、アルゼンチンのイエズス会管区長時代に軍事独裁政権に加担し、結果的に仲間の神父や信者たちを裏切ることになった過去につき言及しているシーンがありました。

 

『2人のローマ教皇』のネタバレ感想

jacqueline macouによるPixabayからの画像

作品では、12億人の信徒を抱えるキリスト教最大会派、カトリック教会の頂点に立つローマ教皇の重圧や暮らしぶりをうかがい知ることができます。決して堅苦しくない人格、日常生活なども垣間見る事ができ、今まで厚いベールに包まれていた教皇に関して、1歩も2歩も親近感が湧く身近な存在という事が分かりました。

決して完ぺきではない普通の人間として、2人の教皇が描かれており、これも少し驚きました。宗教的にはこういう事が許される寛容さに改めて驚きました。教皇は神聖不可侵で、誤った事はしたことが無いから選ばれたとばかり考えがちですが、やはり、誤りの無い人間、罪を犯していない人間(例え教皇でも)はいないという現実的な考え方(本音)で語られている事がとても興味深く新鮮に感じられました。

当初は意見が全く異なり全面対決、喧嘩別れとするのではないかとまで思われました。そこは教皇と枢機卿、大人同士の対話を通じてお互いの意見を尊重しながら、良い面を見出していく対応には学ぶべきところが大きいと思いました。これはお互いに意見の対立はあるものの、同じカトリック教会内部の人間同士だから、最終的に分かり合えたものなのか、それともカトリック教会の枠など遥かに超越し、お互い2人の人間性が通じ合ったものなのかたいへん興味があるところだと思います。

 

 

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