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映画『イタリアは呼んでいる』(2014/マイケル・ウィンターボトム監督)感想‣一味違ったイギリス人のグルメ取材ロードムービー(イタリア編)

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『イタリアは呼んでいる』のあらすじと概要

falcoによるPixabayからの画像

「イン・ディス・ワールド」のマイケル・ウィンターボトム監督が、グルメ取材でイタリアの5つ星ホテルや絶景レストランを取材する仕事で、イギリス人中年男性2人組の旅をユーモアたっぷりに描いたロードムービー。

もともとは、クーガンとブライドンがイギリス湖水地方をグルメ旅行するTVシリーズに始まり、それを劇映画にまとめたのが「スティーブとロブのグルメトリップ」。そして本作は、マイケル・ウィンターボトム監督が初めて手がけた“続編”という。設定や流れだけを監督が決め、あとは俳優2人の即興によるものとのこと。

人生の曲がり角に差しかかっている英国人中年男性のスティーブとロブは、イタリアの5つ星ホテルや絶景レストランを取材する仕事を新聞社から依頼され、ミニクーパーに乗り込んでイタリア縦断(ピエモンテからカプリへ)の旅に出る。2人は極上の料理や美しい景色を堪能し、旅先の恋心も楽しむ。

「あなたを抱きしめる日まで」のスティーブ・クーガンと、イギリスを代表するコメディアンのロブ・ブライドンが本人と同じ役名で主演を務めた。2人が道中で繰り広げるモノマネ合戦(ロバート・デ・ニーロ、クリスチャン・ベール、マーロン・ブランド等)や絶妙な掛け合いも超見どころ。

2014年製作/108分/イギリス
原題:The Trip to Italy

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『イタリアは呼んでいる』のスタッフとキャストについて

HuguenotPG1によるPixabayからの画像

マイケル・ウィンターボトム監督:難民問題を扱った『イン・ディス・ワールド』で、2003年ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した。また、これまで3本の作品がカンヌ国際映画祭のパルム・ドールにノミネートされている。

スティーブ・クーガン:1965年生まれ、英ウェールズ出身。イギリスではコメディシリーズ『アラン・パートリッジ』シリーズで知られている。スクリーンデビューしたのは95年で、マイケル・ウィンターボトム監督作「24アワー・パーティ・ピープル」(02)で国外でも知られるようになる。以降、「80デイズ」(04)や「ナイト ミュージアム」シリーズ(06、09)といったアメリカの大作にも出演

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ロブ・ブライドン:1965年生まれ、英マンチェスター出身。BBCのコメディ番組のロブの「この年、オレ年」の司会者、同じくマリオンとジェフとそのスピンオフであるThe Keith Barret Showにおけるキース・バレット役などで知られる。

『イタリアは呼んでいる』のネタバレ感想

luca42zによるPixabayからの画像

二人の男性の掛け合いはまったく料理の内容、素晴らしい景観とは別ものです。『旨い!』『旨過ぎる!』などと料理に対するコメントはほんの僅かながら語られます。しかし、グルメ映画であるはずなのに、「主役」の二人のおしゃべり中心という趣向に少し変わった映画だなぁと感じていました。

二人の中年男性の当意即妙のじゃれ合いもここまで徹底してやられると「芸術性」の高みへと昇華していく感じを受けました。前半話題の中心人物・詩人バイロン、シェリー等は名前ぐらいしか思い浮かばないところが、自分としては少し残念でした。どうやらこれらの詩人はいずれもイギリス人でありながら、住みづらい故国を逃げ出してイタリアへ逃避、イタリアで死を迎えたのではないかと思います。

又、アル・パッチーノ、クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、ロージャー・ムーアなどの物まねが上手いか下手かぐらいはわたしでも良く理解出来ました。本物そっくりでした。たぶん英米の映画館公開時は、大爆笑の渦だったのではなかったかと想像します。

グルメの取材旅行をしながら、恋もあり、家庭問題もあり、ハリウッド映画への出演をものにしてしまうなど、人生の一断面が同時に進行されていく大筋の展開があるものの、これらの内容を紡ぐのが、ほとんどが二人のアドリブによるというのもその才能には驚きます。よぽど息の合ったおふたりというのが伝わってきます。

話は料理に戻りますが、パスタ中心です。肉・海鮮料理もふんだんです。まず、その美味しそうなのは見てわかります。また、料理のボリュームに圧倒されてしまいます。レストランの立地も、あり得ない程素晴らしい所ばかり。料理の味も格段に引き立てられるのか、或は、逆に風景に圧倒されて食べる料理の味が分からなくなることが心配されそうです(まあ、そんな心配は必要無いのかもしれません…)

それと宿泊するホテルの部屋も眺めもこれまた驚きでした。景観ばかりを強調した映像主体だと単なる旅行番組になってしまいますが、そこは「グルメ映画」のロケの為の単なる「背景」に過ぎないという、なんとも贅沢な映画作りになっていました。

レストランもホテルもかなり豪華で非常によい雰囲気でした。高価且つ予約がいっぱいで、なかなか行けそうにありませんが、機会があれば、この映画の中の一つの超高級レストラン、ホテルに行って、宿泊・食事を愉しんでみる気にさせる素敵な映画でした…

続編『スペインは呼んでいる』も是非見てみたいですね。

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