最近の新作映画は映画館で公開されるほかに、一部映画館でプレミア上映されただけで一般劇場で公開されることなく、いきなり一斉動画配信される新作作品も多くあります。(Netflix) 映画はまず、劇場で真っ先に見るものと言う概念も大きく変容しつつある事に驚きました。他方、新コロナウイルスの世界的な感染の広まりの影響で公開延期を余儀なくされていた新作映画が、漸く公開され始めました。その一部をご紹介します。
- 『ベケット』(2021/フェルディナンド・チト・フィロマリノ監督)
- 『ブルー・ミラクル』(2021/フリオ・キンタナ監督)
- 『ワイルド・スピード ジェットブレイク』(2021/ジャスティン・リン監督)
- 『イン・ザ・ハイツ』(2021/ジョン・M・チュウ監督)
- 『ファザーフッド』(2021/ポール・ワイツ監督)
- 『愛しい人からの最後の手紙』(2021/オーガスティン・フリッゼル監督)
- 『ライトハウス』(2019/ロバート・エガース監督)
- 『Arc アーク』(2021/石川慶監督)
- 『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020/エメラルド・フェネル監督)
- 『ブラック・ウィドウ』(2020/ケイト・ショートランド監督)
『ベケット』(2021/フェルディナンド・チト・フィロマリノ監督)
ギリシャで休暇を過ごしていたアメリカ人観光客のベケット(ジョン・デビッド・ワシントン)は、山岳地帯で自動車の居眠り運転が原因で転落事故を起こし、崖下にあった民家に突っ込んでしまい、ある身に覚えのない嫌疑を掛けられ、謎の組織に命を狙われる身となってしまいます。命からがらアテネのアメリカ大使館に逃げ込み、汚名を晴らそうと必死になっていました。しかしながら、アメリカ大使館員も信頼出来る人物ではありませんでした。またもや追跡が迫るにつれて緊張が高まるだけでなく、同時にギリシアの一般民衆のデモも発生、国内の政情不安も更に高まりを見せて行きます。
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『ブルー・ミラクル』(2021/フリオ・キンタナ監督)
施設で暮らす少年たち、海釣りの経験は一切なかったが、高額な賞金を手にするため、3日間行われる世界有数の釣り大会に出場することになる。監督と脚本を手掛けるのは『ザ・ヴェッセル』などのフリオ・キンタナ。『プリズン・ヴァンパイア』などのジミー・ゴンザレス、『僕のワンダフル』シリーズなどのデニス・クエイド、ドラマシリーズ「冒険野郎マクガイバー」などのブルース・マッギルらが共演。
本作品の元になった『ビスビーズ・フィッシング トーナメント』は1982年創設され、第1回 トーナメントは、賞金1万ドルを僅か6艇で争ったのが始まりで、2006年には183チームが参加。 スポーツフィッシング史上、最高賞金額390万ドルが優勝チームに支払われるまでになったという。
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『ワイルド・スピード ジェットブレイク』(2021/ジャスティン・リン監督)
ドミニクはパートナーのレティや幼い息子ブライアンと3人で平穏な日々を過ごしていたが、否応なく自身の過去の罪と向き合うことに。ドミニクの実の弟ジェイコブの存在が初めて明かされ、その因果はファミリーを窮地に追い込んでいく。ファミリーは世界を揺るがす陰謀を阻止するため、凄腕の殺し屋で超一流の運転技術を持つジェイコブとの戦いに身を投じる。
見せ場は限りなくたくさんありますので、是非劇場まで脚を運び観賞することをおすすめします。中でも宇宙空間を彷徨う「ポンティアック」中には黄色い自家製の宇宙服(どちらかというと古い時代の潜水服か?)に身を包み、地球を救う大活躍シーンは圧巻でした。どうやって地球に帰還出来たかは詳細は闇の中ではありますが、、、
ビン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲス、タイリース・ギブソンらおなじみのメンバーに加え、「ワイルド・スピード ICE BREAK」に登場したシャーリーズ・セロン扮する悪役サイファーや、サン・カンが演じるハンも再登場。さらに新たな敵となるドミニクの弟ジェイコブ役でジョン・シナが初参戦。
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『イン・ザ・ハイツ』(2021/ジョン・M・チュウ監督)
ミュージカル「ハミルトン」でも注目を集めるリン=マニュエル・ミランダによるブロードウェイミュージカルで、トニー賞4冠とグラミー賞最優秀ミュージカルアルバム賞を受賞した傑作ミュージカル「イン・ザ・ハイツ」(初演2005年)を映画化した作品。
8分以上におよぶ本編冒頭映像に度肝を抜かれます。総勢500人以上という、ダンサーやエキストラが街角で踊るミュージカルシーンには鳥肌が立つほどの凄まじさ。
変わりゆくニューヨークの片隅に取り残された街ワシントンハイツ、そこは賑やかな音楽と移民の街。祖国を遠く離れた人々が多く暮らすこの街は、いつも歌とダンスであふれていました。そこで育ったウスナビ、ヴァネッサ、ニーナ、ベニーの4人の若者たちは、それぞれ厳しい現実に直面しながらも夢を追い掛けていました。
真夏に起きた大停電の夜、彼ら4人の運命は大きく動き出す。
「クレイジー・リッチ」のジョン・M・チュウ監督がメガホンをとり、「アリー スター誕生」のアンソニー・ラモス、「ストレイト・アウタ・コンプトン」のコーリー・ホーキンズ、シンガーソングライターのレスリー・グレイスらが出演している。
映画感想|『イン・ザ・ハイツ』(2021/ジョン・M・チュウ監督)若者たちの夢、逆境に立ち向かう人々の絆を熱く描き出す
『ファザーフッド』(2021/ポール・ワイツ監督)
妻に先立たれた主人公のシングルファーザーが悪戦苦闘しながら一人娘を育てるヒューマンドラマ。実話を基にしたマット・ロジェリンの小説を原作に、『アバウト・ア・ボーイ』『ベル・カント とらわれのアリア』などのポール・ワイツが監督、脚本を務めた。
初めての育児に試行錯誤するシングルファーザーを『THE UPSIDE/最強のふたり』などのケヴィン・ハートが演じ、『アナベル 死霊館の人形』などのアルフレ・ウッダード、『アンクル・ドリュー』などのリルレル・ハウリーのほか、ディワンダ・ワイズ、メロディ・ハードらが出演する。
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『愛しい人からの最後の手紙』(2021/オーガスティン・フリッゼル監督)
1960年代に書かれたラブレターを発見した記者エリー。交通事故で記憶を失ったジェニファー・スターリング(ウッドリー)宛てに、不倫相手のアンソニー・オヘア(カラム・ターナー)が何度も送っていたその手紙から、2人の熱烈なロマンスに夢中になったエリー(フェリシティー・ジョーンズ)は、その結末を知るために2人を探し始めるというストーリーだ。何とそのエリー自信も調査の途中で恋に落ちて行くという予想外の展開も加わり面白くなっています。
本作は「世界一キライなあなたに」の原作者としても知られる作家ジョジョ・モイーズの同名ベストセラー小説を映画化した作品です。
おすすめ映画|『愛しい人からの最後の手紙』(2021/オーガスティン・フリッゼル監督)
『ライトハウス』(2019/ロバート・エガース監督)
「ウィッチ」のロバート・エガース監督が、「TENET テネット」のロバート・パティンソンと名優ウィレム・デフォーを主演に迎え、実話をベースに手がけたスリラー。
外界とまったく遮断された絶海の孤島の灯台を舞台に、登場人物はほぼ2人の灯台守だけで、彼らが徐々に狂気と幻想に侵されていく様を美しい35ミリモノクロームながら、閉塞感が強調されるほぼ正方形のやや異様な映像で描かれています。
1890年代、ニューイングランドの孤島が舞台。4週間にわたり灯台と島の管理をおこなうため、2人の灯台守が島に送り込まれてきました。ベテランで高圧的な上司のトーマス・ウェイクと未経験の無口な若者イーフレイム・ウィンズローは、初日からそりが合わずに衝突を繰り返す。険悪な雰囲気の中、島を襲った嵐により、2人は更に島に閉じ込められてしまうことになります。
おすすめ映画|『ライトハウス』(2019/ロバート・エガース監督)孤島の灯台という空間で演ぜられる狂気の二人芝居!
『Arc アーク』(2021/石川慶監督)
「愚行録」「蜜蜂と遠雷」の石川慶監督が、SF作家ケン・リュウの短編小説「円弧(アーク)」を芳根京子主演で映画化。
科学の進歩によって人類で初めて「永遠の若さ?」を手に入れた女性を描き出す人間ドラマ!
遠くない未来。生まれたばかりの息子と別れ、放浪生活を送り、行くあてもなく道端に座り込み、生きる希望を失いかけていたリナは、やがて師となるエマと出会います。リナは大手化粧品会社で、最愛の人を亡くした人のために、遺体を生きていた姿のまま保存できるように施術する「ボディワークス」という仕事に就いていました。一方、エマの弟で天才科学者の天音は、姉と対立しながら、ボディワークスの技術を発展させた不老不死の研究を進めていました。30歳になったリナは天音を中心に開発された不老不死の処置を受け、人類史上初の永遠の命を得た女性となっていきます。
やがて、不老不死が当たり前となった世界は、人類を二分化し、混乱と変化をもたらしていきます。芳根が100歳を超えてなお生きるリナ役を演じる。エマ役の寺島しのぶ、天音役の岡田将生ほか、倍賞千恵子、風吹ジュン、小林薫らが脇を固めます。
おすすめ新作映画|『Arc アーク』(2021/石川慶監督)“永遠の若さ”を手に入れた女性の選択!?
『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020/エメラルド・フェネル監督)
Netflixオリジナルシリーズ「ザ・クラウン」でチャールズ皇太子の妻カミラ夫人役を演じ、テレビシリーズ「キリング・イヴ Killing Eve」では製作総指揮や脚本を担当するなど、俳優・クリエイターとして幅広く活躍するエメラルド・フェネルが、自身のオリジナル脚本でメガホンをとった長編映画監督デビュー作品。
ごく平凡な生活を送っているかに見える女性キャシー。実はとてつもなく切れ者でクレバーな彼女には、周囲の知らないもうひとつの顔があり、夜ごと着飾り、派手めなメイクで外出する謎めいた行動の裏には、ある目的があった。医学部で学び、明るい未来を約束された若い女性(=プロミシング・ヤング・ウーマン)だと誰もが信じていた主人公キャシーが、ある事件に巻き込まれ約束された未来をふいに奪われたことから、復讐を企てる姿を描ていく。
主人公キャシーを「17歳の肖像」「華麗なるギャツビー」のキャリー・マリガンが演じ、「スキャンダル」「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」や「スーサイド・スクワッド」で知られる女優マーゴット・ロビーが製作を務めている。
おすすめ新公開映画|『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020/エメラルド・フェネル監督)アカデミー賞に5部門ノミネートされた復讐エンターテイメント!
『ブラック・ウィドウ』(2020/ケイト・ショートランド監督)
「アベンジャーズ」シリーズをはじめとしたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の各作品で活躍した、スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウが単独で主役を務めた作品で、孤高の暗殺者だったブラック・ウィドウがなぜアベンジャーズになったのか、知られざる過去の物語が明らかにされます。
物語の時代設定は「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」の直後、「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」の間を舞台に、ブラック・ウィドウがアベンジャーズから離れていた時期に起こった出来事を描いています。
ブラック・ウィドウの前に突如現れた、“妹”エレーナ(フローレンス・ピュー)。姉妹は、自分たちを暗殺者に育てたスパイ組織「レッドルーム」の秘密を知ったことで命を狙われる。唯一の味方は、かつて組織が作り出した“偽りの家族”(びっくり仰天)だけだった。しかし、その家族の再会によってレッドルームの恐るべき陰謀が動き出す。
代役で出演した「アイアンマン2」以来10年間ナターシャを演じて来たスカーレット・ヨハンソンは本作が最後のMCU出演作品になる予定だそうです。今回で黒いスーツ姿の活躍シーンも見納めとなるのでしょうか、、、
エレーナ役は「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」でアカデミー助演女優賞にノミネートされたフローレンス・ピューが演じています。
おすすめ新公開映画|『ブラック・ウィドウ』(2020/ケイト・ショートランド監督)『アベンジャーズ/エンドゲーム』から2年、スカーレット・ヨハンソンが世界最強の女スパイ役
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